2023.06.12
「がん医療の均てん化を目指して」
質の高いがん医療の全国的な均てん化を図ることを目的に整備された「がん診療連携拠点病院等」(詳細は厚生労働省のホームページ)。その間でも、がん治療の内容や実績に大きな差があることが明らかになっています。こうした中、改めてがん医療の均てん化を目指し、全国約200病院のがん診療連携拠点病院等で構成される「Cancer Quality Initiative(CQI)研究会」(代表世話人:望月泉=岩手県八幡平市病院事業管理者・岩手県立中央病院名誉院長)の第16回会合が2023年8月26日、開催されます(CQI研究会の紹介ページはこちら)。
新規入会を含むCQI研究会の会員には、がん医療・経営の質を他病院と比較し、自病院の全国的な立ち位置を確認できるがん診療分析ツール「Cancer Dashboard」を無償提供。会合当日は、「Cancer Dashboard」を用いた診療プロセスや経営指標のデータ分析結果の発表のほか、前立腺がんなどがん種別に内視鏡手術支援ロボット「ダビンチ」の手術動向分析などをベースに議論します。会合の直前には、人員確保に苦慮するがん診療連携拠点病院等に向けた「働き方改革」をテーマにした講演が行われます。
CQI研究会は2007年、がん医療の質向上を目指す有志施設(栃木県立がんセンター、千葉県がんセンター、神奈川県立がんセンター、愛知県がんセンター、四国がんセンター、岩手県立中央病院)が設立しました。がん診療連携拠点病院等からなる会員は2023年3月現在で214施設です(会員一覧はこちら、世話人一覧は以下)。
研究会では、医療ビッグデータ(DPCデータの入院・外来データ等)を用いて、実名公開の形で参加施設の診療プロセスを比較・分析しています。分析結果を各施設にフィードバックすることで、がん医療の質を改善する活動を支援するとともに“がん医療の均てん化”を目指しております。
CQI研究会の企画・運営・分析はグローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)が担っています。
8月26日開催の第16回会合は、前回の会合同様に会場参加(リアル)と、ウェブ会議システムを通じた参加(バーチャル)とを合わせた「ハイブリッド型」で開催します。
会合では、
(1)がん医療・経営の質向上に向けたベンチマーク分析
(2)ケーススタディ
・前立腺がんの診療内容ベンチマーク
・がん種別のダビンチ手術動向 など
(3)がん診療および病院経営における新型コロナウイルス感染症の影響分析
―のプログラムが予定されています。
(1)のがん医療・経営の質向上に向けたベンチマーク分析は、がん医療の内容・実績について、「全がん腫」について病院の「実名」でベンチマーク分析できる「CancerDashboard」を軸に解説します。「CancerDashboard」は、今年度が名称変更したもので、CQI研究会会員の専用サイトで提供されます。
例えば、「悪性腫瘍」の名称が付く診療報酬点数のKコード(手術)すべてのデータについて、「術式の割合」(開腹手術なのか、腹腔鏡手術なのか)、「平均在院日数」「術後日数」「抗菌剤の使用銘柄と使用日数」「医療資源の投下状況」「各種加算の算定状況」などを瞬時に視覚的に把握し、自病院の立ち位置や他病院の状況を確認できます(以下分析イメージと分析項目)。
(2)のケーススタディでは、前立腺がんを例として、 「診療プロセス」や「経営指標」を実名でベンチマーク。前立腺がんを含むがん種別の「ダビンチ」手術動向を分析します。
(3)のコロナ影響分析では、コロナ第1~7波別の悪性腫瘍への影響や、悪性腫瘍における「患者居住地―入院病院間距離」「Stage」「患者層」「がん種別死亡率の変化」「診療内容」等に関する変化の分析結果を発表します。過去GHCが行ったコロナ関連のデータ分析は『医療崩壊の真実』にまとめてあります(参考『「病床逼迫のなぜ」示す深刻な専門医配置のミスマッチ』『【序章全文公開】コロナ禍のデータが暴いた医療資源の「分散」』)。
また、同日午前には、GHC特別セミナー「医療の質と経営の質を担保しながら“働き方改革”への挑戦~実証データから見える、明日からできる対応~<医師編><メディカルスタッフ編>」をCQI会員限定で開催します。
開催概要は以下の通りです。ぜひご参加をご検討ください。
1. がん医療・経営の質ベンチマーク分析ツール「Cancer Dashboard」解説参加施設の「診療プロセス」や「経営指標」を実名でベンチマーク(手術全がん種対応)・診療プロセス:各がんの在院日数、抗生剤、輸液、処置、リハビリ、栄養指導etc.・経営指標:症例数、医療資源量、がん関連の加算算定率、入退院支援加算算定率etc.
2. ケーススタディ:前立腺がん 診療内容等に関する詳細ベンチマーク分析前立腺がんを例として「診療プロセス」や「経営指標」を実名でベンチマーク前立腺がんはじめ、がん種別のダビンチ手術動向分析
3. 新型コロナウイルス感染症によるがん診療および病院経営分析コロナ波別の悪性腫瘍への影響、悪性腫瘍における患者居住地-入院病院間距離、Stage、患者層、がん種別死亡率の変化、診療内容等変化に関する分析
・日時:令和5年8月26日(土)13:30-16:00
・会場(開催方法):全国町村議員会館 対面およびWebセミナー(ハイブリッド形式)
・参加対象:理事長、院長、副院長、診療部長、看護部長、事務部門(経営企画、医事課等)
・必要データ:DPC入外データ(2019年~)
・参加費:お一人様1,000円(税込)
※払込票にてお支払い頂きます。ハイブリッド開催となりますが、ご参加費は共通となります。
※CQI会員登録には費用はかかりません。
テーマ:医療の質と経営の質を担保しながら“働き方改革”への挑戦~実証データから見える、明日からできる対応~ -医師編 -メディカルスタッフ編
・日時:令和5年8月26日(土)10:30-12:00
・会場(開催方法): 同上
・参加対象:CQI研究会ご参加者
・参加費:無料
広報部 | |
事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。 |
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