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共同研究者 Research Supporter

水野 篤

Mizuno Atsushi

プロフィール

 京都大学医学部を卒業し、神戸市立医療センター中央市民病院で研修後、聖路加国際病院に異動。その後、専門を循環器内科として、日々研鑽を積み、QIセンターに所属し、医療の質改善にも注力している水野篤先生はGHCの共同研究者の一人です。


 特に医療の質評価に強い興味を抱き、GHCと共同研究を行っておられます。2017年にはGHCスタッフとの共著でThe impact of carperitide usage on the cost of hospitalization and outcome in patients with acute heart failure: High value care vs. low value care campaign in Japan (International Journal of Cardiology,)を発表されました。


 水野先生が、GHCとの共同研究を通して改めて実感したことは、「データで確認することの重要性」です。「薬剤としての効果が非常に興味深い心不全治療薬『カルペリチド』の論文執筆の際、ビッグデータを用いてその使用状況を俯瞰すると、全国的にカルペリチドは無駄に長く投与される傾向にあることが分かりました。自分自身、その効果ゆえにカルペリチドに頼りがちで、それは他の医師も同じなのではないかという仮説を持っていたのですが、データで確認することで、まさにその通りだったことに驚きました」。



 今後は、「行動経済学に傾倒しているので、是非こちらの分野でもコラボレーションしたい」と、新たな研究意欲への熱意を示しています(行動経済学に関しましては、アキの『日米がん格差』の第4章をご参照ください)。


 休日は、講演活動などの仕事が多いそうですが、「本当はもっと家族と過ごしたい」と考えている水野先生。そんな水野先生が最近、印象深かったこととは、「本庶佑氏がノーベル賞を受賞したこと」。水野先生が大学時代に講演をされていた、本庶氏が「オプジーボ」の開発に大きく貢献し、ノーベル賞を受賞し、臨床現場に還元しているという事実と、そこに至るまでに20年という長い年月を費やしているというもう一つの真実が、水野先生の「ミッション感」に強く影響を与えたようです。


 水野先生の飽くなき研究心は趣味の分野においても、健在です。「食べ比べの会」に好んで参加し、食べ物をただ味わうだけではなく、「この食べ物の味覚を鍛えるという行為」と、「実際にどれを選択して食べようとしているのかというインサイト」に興味を感じ、食べているそうです。


 医療の質の向上に対する強い信念と、何事においてもどん欲な探求心をもつ水野先生は、今度の日本医療を牽引していく存在になっていくことでしょう。



Photography by 写真家 研壁 秀俊氏

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