2019.07.11
重症患者対応の役割を担う「急性期病院」の経営コンサルティングなどを行うGlobal Health Consulting Japan Co., Ltd.(GHC※1=本社・東京都新宿区、代表取締役社長・渡辺幸子)は8月1日、急性期病院が周辺のクリニックなどの医療機関との連携を強化し、紹介患者の増加を目指す機能に特化したデータ分析サービス「戦略的集患ソリューション」の提供を開始します。2018年11月リリースの「地域連携分析」に続く集患(増患)対策を支援するサービスの第2弾です。
「戦略的集患ソリューション」とは
「戦略的集患ソリューション」は、多機能型経営分析ツール「病院ダッシュボードχ(※2)」の新サービスです。病院は「戦略的集患ソリューション」を活用することで、周辺の医療機関から紹介される患者の詳細データが可視化され、医療機関ごとにどのような患者がどれだけ紹介されてくるのか、瞬時に把握できるようになります。そのため、急性期病院の経営において重要な入院や手術につながる集患活動を、効率的かつ効果的に行うことができます。また、他病院のデータと比較して、紹介患者数や入院・手術に移行する割合が適切かどうかを確認することもできます(以下イメージ)。
例えば、「予定入院の患者を増やしたいが、どの医療機関にアプローチすべきか」などの課題に対して、データを用いたスコアリングで優先順位を決定し、最初にアプローチすべき明確な論拠を伴った医療機関を瞬時に知ることができます(図表参照)。また、「Aクリニックからの紹介が減少傾向にあるため、至急、要因調査が必要」などのアラートをデータで把握できたり、「Bクリニックからの紹介患者は比較的多いものの、入院や手術に移行する割合が低い」などの改善ポイントに気づけたりすることで、効率的かつ効果的な戦略的集患活動を強力にサポートすることができます。
「病院ダッシュボードχ」はこれまで、基本サービスの中で、同じ集患を支援する「地域連携分析」を提供してきました。ただ、集患対策を推進する上で、受け入れ体制を整えるために必要な外来診療や多職種連携のチーム医療のデータ分析に関しては、オプションサービスである「外来分析」と「チーム医療plus」の導入が別途、必要でした。
今回の「戦略的集患ソリューション」は、基本サービスの「地域連携分析」に加えて、オプションサービスの「外来分析」と「チーム医療plus」の中から、集患に必要な機能を抽出・整理し、実装しました。加えて、ユーザビリティーを見直し、初めてデータ分析を行う方でも、直感的な操作で、集患に関するさまざまな目的に合わせた情報がすぐに入手できるようにしています。
150病院が実践活用、ベンチマーク分析に対応
「戦略的集患ソリューション」を開発したGHCコンサルタントの太田衛は、以下のようにコメントしています。
「当社は10年以上前から集患に関するコンサルティングサービスを提供しており、多数の成功事例をサポートしてきました(※3)。そのノウハウを生かして開発し、2018年11月にリリースした『地域連携分析』は、社会医療法人宏潤会大同病院のような急成長病院の集患活動をサポート(※3)し、すでに150病院を超える病院で実践活用されています。導入病院のデータと比較し、最適な『解』を導き出すベンチマーク分析ができることも、『地域連携分析』にしかない強みの一つです。
今回の『戦略的集患ソリューション』では、集患戦略に基づき、具体的に『外来診療をどのように変えていけばいいのか』『チーム医療による入退院支援に関して見直す点はないか』など、さらに踏み込んだ戦略的集患の分析が可能になりました。分析初心者の方でもすぐに必要な情報にたどり着けるため、今まで以上に多くの病院の集患を強力にサポートできると期待しています」
「地域連携分析」に続き、「戦略的集患ソリューション」を開発した背景にあるのは、病院の「集患」に対するソリューションの要望が急激に増えているためです。超高齢社会の進展による政府の医療費抑制策が年々厳しくなり、「病院大再編時代」に突入したことが大きく影響しています。「黙っていても患者は来る」という時代はすでに終わり、「患者を増やすことができなければ病院がつぶれる」という時代になったのです。
当社は今後も、病院の経営改善に対するニーズに応えるため、引き続き「地域連携分析」や「戦略的集患ソリューション」の機能をブラッシュアップしていくとともに、新たな切り口の新サービスを開発し、順次、提供していきます。
(※1)Global Health Consulting Japan Co., Ltd.
医療専門職、ヘルスケア企業出身者、IT専門家らで構成される経営コンサルティングファーム。急速な高齢化で社会保障財政の破たんが懸念される中、「質の高い医療を最適なコストで」という理念を実践する具体的な手法として、米国流の医療マネジメント手法「ベンチマーク分析」を日本に初めて持ち込み、広めたパイオニアです。
(※2)
15年間のデータ分析に基づく病院経営コンサルティングで培ってきたノウハウをベースとする多機能型経営分析ツール。高度急性期病院の4割への導入実績がある。「地域連携分析」を含む基本サービスのほか、「外来分析」などのオプションサービスで構成される。基本サービスおよびオプションの一部機能を抽出・整理して実装したソリューションサービスは、今回の「戦略的集患」が第一弾になる。
(※3)事例紹介
◆「目標は可視化しないと伝わらない」収益倍増の宏潤会支える、大同病院のデータ分析術【システム活用事例】
◆データ加工なしで効率的な地域連携を推進、右肩上がりの集患戦略に弾み【システム活用事例】
◆京都中部総合医療センター、「地域医療支援病院」認定を決めた「驚異の4か月」舞台裏【コンサルティング活用事例】
広報部 | |
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