2021年10月20日
医療界に激震をもたらすと言われている「医師の働き方改革」の成否は、病院の「経営企画」がカギを握っていると言われたら、どのように感じられるでしょうか。
働き方改革はこれまで、勤怠管理などの労務管理の側面が大きく取り上げられてきました。ただ、我々のような医療現場に入り込んでいるコンサルタントからすると、労務管理と同じくらい、あるいはそれ以上に重要なことがあります。それは、具体的で実効性を伴う医療現場の生産性向上策です。
普段から医療の質を担保しつつ、病院経営の効率化を担う経営企画は今、2024年から本格スタートする医師の働き方改革に向けて、どのような準備をすればいいのか。本稿ではそのポイントについて、3分で読了できる分量でご説明させていただきます。
病院経営にかかわるすべての関係者が、医師の働き方改革でまず押さえるべきポイントは3つあります(図表)。
一つ目は、実務という意味で最も関係者から注目されているのは労務管理です。具体的な勤怠管理をどうすればいいのか、就業規則の変更や人員配置をどのように見直していけば良いのか――。熱心に情報収集を始めている労務管理の担当者も多いでしょう。
「やりがい」への配慮も重要です。メンタルケアの対応や勤務環境の改善、そのための各種制度の見直しなども伴わないと、実効性のない名ばかり管理なってしまいます。
そして我々が着目する最も重要なポイントは現場の実情を十二分に考慮に入れた業務改善の具体策の立案と実践です。業務改善は、業務整理、業務効率化、タスクシフト・シェア、IT化などさまざまな切り口があります。そのそれぞれに対して、現状はどれだけの改善余地があるのか、それらをどのようにして改善していくのか、その内容によっては、働き方改革の成否が大きく分かれます。医療の質向上にも結びつきます。
なぜ業務改善の内容が働き方改革の成否を分けるのか――。業務改善は、経営改善と改革の効果の両方で大きな成果が期待できるためです。
例えば、働き方改革で着目される医師の増員は、タスクシェアや複数主治医制の導入につながり、働き方改革の効果が期待できます。しかし、やみくもに医師を増やせば人件費負担の増加で経営は悪化します(そもそも医師の大幅増員は現実的ではない場合が多い)。一方、タスクシフトや不要な外来診療の削減、そのほか不要な業務のカットは、効率化により経営改善の効果も期待できます。
しっかりと業務改善で大きな成果を出すことができるのであれば、労務管理もよりしやすくなり、勤務環境の改善でやりがい向上にもつながります。
働き方改革の推進において、業務改善は大きなポイントです。ではそれをどう推進していくかを考えると、軸になるのはデータ分析です。データ分析に基づき、現状を可視化し、課題を洗い出し、改善成果の見込みが大きいものから改善していく。その上で労務管理などを検討していく流れが、正しい働き方改革の進め方です。
以下の無料で提供するシリーズ・ミニウェビナーでは、上記の経営企画が知るべき働き方改革のポイントについて、我々コンサルタントが分かりやすくその概要と、経営企画が行うべき具体的なアクションについて詳しく解説いたします。ご興味のある方はぜひ、ご参加を検討ください。
株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンのコンサルティング部門アソシエイトマネジャー。診療放射線技師。大阪大学大学院医学系研究科機能診断科学修士課程を修了し、大阪大学医学部発バイオベンチャー企業、クリニック事務長兼放射線・臨床検査部長を経て、GHCに入社。地域連携、病床戦略、DPC分析を得意とする。多数の医療機関のコンサルティングを行うほか、GHCが主催するセミナー、「」の設計、マーケティング、カスタマーサポートを担当。新聞や雑誌の取材・執筆多数。
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事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。 |
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