GHCブログ

2008年03月19日

Hospital is not a center of healthcare, but PATINETS

メイヨークリニックシンポジウム vol.2


9・10・11日と3日に間にわたってワシントンDC近くのバージニア州(東海岸)で開かれた「Mayo National Symposium on Health Care Reform」。9日は夕方にレセプションがあり、渡辺は、GHCのパートナーであるマーティー・マイケルとともに参加しました。

さて、2日目。シンポジウムはなんと朝の8時から開催。広々とした会場には6~7人用の丸テーブルが60個ほど敷き詰められていました。各テーブルにはそれぞれ番号がふられ、座るテーブルは事前に決められています。渡辺が指定されたのは、25番。会場最前列左側、マーティーと一緒です。25番テーブルには他に、メイヨークリニックの内科医でITの責任者No.2でもあるNinaさん、以前に岐阜に住んでいたというCode Blue Now!・CEOのKathleenさん、Washington State Medical Association・CEOのThomasさん、ほか2名。

シンポジウムの開催に当たってはまず、メイヨークリニック経営管理部門最高責任者のボブ・スモルト氏が、アメリカ35州から集まった400人以上の参加者の感謝の辞を述べました。さらに、「西海岸から来られた皆さん、参加者の中では一番遠くから来たとお思いでしょう? 違うんですよ。もっと遠くから来た方がいます。実は、日本からの参加者がいるんです。

…Sachiko Watanabe, President of Global Heath Japan!」

と、急に渡辺を紹介。渡辺は、驚きつつも慌てて立ち上がり両手を振って会場の皆さんに挨拶し、参加者から拍手喝采を受けたそうです。ボブは昨年11月に来日し、GHCが開催したセミナーにも出てくれたほか、アキや渡辺と友人としての交流もあるのです。ちなみに、渡辺の愛娘犬・ポンはボブからいただいた洋服を愛用しています。

次に、メイヨークリニックのプレジデント兼CEOであるDr.Corteseが登壇し、メイヨーが考える医療政策に対するビジョンやシンポジウムの目的について熱弁をふるいました。このなかでDr.Corteseが指摘したのは、以下の4点です。

1.Insurance for all  アメリカでは無保険者が人口の約14%にも上ると言われ、大きな社会問題になっています。「すべての人に医療保険を」。これが、メイヨーの願いです。

2.Coordinated care  患者中心の医療を考えた場合、ケアのコーディネートが圧倒的に不足しています。コーディネートされていないケアの提供は質の低下を招きます。

3.Value  価値とは何でしょうか? 価値を考えるときのポイントは、測定可能であること。そして、“コストで割った”概念です。 「アウトカム・安全・サービス/コスト」を考えるということです。

4.Payment reform  医療保険を持っていても保険者からの支払いが十分でないため、自己負担が高くて必要な医療を受けられない人もいます。




 話のなかで、Dr.Corteseが何度も繰り返していたのが、“Hospital is not a center of healthcare, but PATINETS(病院が医療の中心なのではない、医療の中心は患者である)”というフレーズ。メイヨークリニックのミッションは「患者中心の医療」です。やはりこのミッションが脈々と受け継がれているんですね。  そして最後は、“Building a mandate for a change!(変化を起こさせねばならない!)という言葉で締めくくりました。医療改革に対する熱い思いに、ひとしきり感動していた渡辺なのでした。

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広報部
広報部

事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。