2007年01月23日
金沢大学医学部附属病院●医療情報部 分校久志助教授(経営企画部長兼任)
各医師が“経営”というキーワードをインプット――大学病院は、組織上、民間病院などとは異なる難しさがあると思いますが…。 経営者という立場ではありませんので、わからない部分もありますが、大学病院とはいえ、独立行政法人化やDPCの普及の影響で、だいぶ変わってきたと思います。これまでは、医師などに収支の話をするとあまり喜ばれないというか、タブー視されているような雰囲気がありました。しかし、最近では、経営という問題がキーワードとして各医師の意識のなかにインプットされてきたと思います。各診療科でさまざまな工夫が見られるようになって、収入も上がってきました。ただ、あくまでも自科を中心に考えている状況ですので、まだ「院内全体で」という感じではありませんが…。各科・各医師が病院全体を見て考えてくれれば確かにベストですが、難しいですよね。各科から出たアイディアや提案をうまくまとめて、院内全体の改善につなげていければと考えています。
――ところで、大学病院をはじめとした大規模病院間で看護師の獲得競争が激化していることが、メディア等でも報道されていますね。 看護基準の7:1問題は、先日(1月17日)の中央社会保険医療協議会でもやはり問題に挙がっていましたが、現在、都心部の大学病院は地方の看護学校をまわって、看護師を集めていますよね。まさに「集めたもの勝ち」といった形相になってきています。そのため、地方ほど厳しい状況です。これは、急性期の医療を手厚くし、その分評価するという本来のあり方とは異なってきていますので、病棟単位の算定になるなど、何らかの見直しがあるのではないでしょうか。個人的な希望も含めた予測ですが(笑)。
ただ、厚生労働省が、「看護師を集められるか否か」を一つの観点として、ベッドの削減を視野に入れているのは事実でしょう。これまでは規模を拡大することばかりが良しとされてきましたが、今後の病院経営においては、規模を適正化することも一つの選択肢として持たなくてはいけないでしょうね。あくまでも、本当に運営が難しい場合という前提ですが…。
広報部 |
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