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2007年02月26日

函館五稜郭病院●髙田竹人院長

「職員・家族2,000人の生活を背負っている」



 江戸時代末期に徳川幕府によって建てられた五稜郭。市のシンボルである、この城郭の写真を撮りたかったのですが…、地上からはさすがに無理だったので、新名所・五稜郭タワーの撮影を!  今回のインタビューは、五稜郭公園・五稜郭タワーのすぐ隣、函館五稜郭病院の髙田院長。同院では5年先のビジョンを常に作成しているそうです。インタビュー後、「細かい数値もあるのでオープンにはできないけれど…」との前提で、次年度のビジョン15項目を見せていただきました。物腰は柔らかく、ビジョンはピシッと。そのメリハリが先生の魅力ではないかと…。

――ホームページを拝見させていただきましたが、患者さん用のクリティカルパスが掲載されていたり、機能評価の認定取得に向けて改善した項目を紹介していたりと、工夫されていますね。

 ホームページは、近々直そうと思っているんですよ。4月から広告規制の見直しなども行われるので、そのタイミングに合わせて。函館市内の主な病院のHPを全部見て比較したんですが、うちのHPが一番物足りない…。まず、各医師の紹介を顔写真入りで掲載して、より身近に感じてもらえるようにしたいですね。あと、経歴や得意な分野、専門なども。やはり、HPを見て(病院に)に来る人が非常に多いので。

――先生は、情報収集に際しては、どのようにアンテナを張っていらっしゃるんですか?

 5年前から院長職に専念しているので、単純に時間があるんですよ(笑)。日経などの新聞、「日経ヘルスケア」や「病院」などの医療経営情報誌はすべて読んでいます。それと、日病(日本病院会)の代議員、全日病(全日本病院協会)の北海道支部の常任理事をしていることもあって、情報が入りやすいんです。あとは、当院の企画担当がいろいろな情報を上げてくれる。  こうした院内外の情報をもとに、5年間分のビジョンを作成してあって、毎年見直しも行っています。もちろん、次年度のビジョンももうできています。

――ちなみに、臨床から離れて経営に専念したほうがやはり良かったですか?

 そりゃぁ…、患者さんを診るほうが本当は好きですよ(笑)。でも、「職が変わった」と考えるしかないなと…。病院とはいえ、経営が傾けば潰れることもあり得るでしょう。道内でも実際にありますし。職員800人、さらに家族も含めれば2,000人もの生活を背負っているわけです。当然、患者さんにも迷惑をかけるし…。中途半端ではできませんからね。  今、毎日院内の各現場を歩いて回って、週に1度は事務部長と看護部長を連れて回っているんです。こうしたことは、臨床をしながらでは、たぶん無理でしょう。

――なるほど…。

 05年に増改築を行った際に、老健にシフトできる施設基準にしたんですよ。シフトする考えは、全然ありませんが(笑)。ただ、日本全体的にやっぱりベッドが多いというのは事実だと思います。何でも揃っている“大きなスーパー”が良いというわけではないし、余ったベッドは削減しなければいけないと…。当院についても、いずれば新棟部分のみが残るのでは…と思っているんです。急性期を担う病院、亜急性期的な病院、療養型、そして老健と、今後さらに分かれていくでしょうね。


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広報部
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事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。