2013年04月30日
4月24日DPC評価分科会が開催されました
先週(24日)、診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会(以下DPC評価分科会)が厚生労働省にて開催されました。
今回のDPC評価分科会では、
医療機関群Ⅲのあり方について
重症度を考慮した評価方法(CCPマトリックス)について(案)
が議題となりました。
医療機関群Ⅲのあり方については、平成 24 年度診療報酬改定における議論(「基礎係数の置き換え」、「基礎係数」、「機能評価係数Ⅱ」)に関する説明が事務局(厚生労働省)から行われました。
そのうえで、出席委員から、「
現状のままでいい」、「
高度な医療行為が大学病院に準ずるという点に着目し、そのバランスで考えていくべき」、「
ある程度、群(特にⅢ群)の中でバラツキがあるのは、しかたがないが、そこでどうバランスを取っていくか」といった、現状の枠組みを維持する多くの意見が出されました。
一方で、一部の委員からは、「
Ⅱ群の実績要件の中に、『研修医育成』が入っているが、ここには地域への医師派遣を評価する視点も入れるべきではないか。研修医前期研修後の後期研修の中で、医師不足の地域への研修医派遣を評価項目として入れることを検討したらどうか」、「
医療機関群は、外科系の評価によって決まっている面があるので、内科系の評価も入れて欲しい」、「
Ⅲ群にはかなり色々な病院が集まっているので、それを全て平均的に評価すべきではなく、効率性や複雑性が高い専門病院と、中程度の地域の中核病院と、効率性や複雑性が低い小さな病院に分けられると考えられるため、それぞれ別々に評価すべきではないか」、「
『Ⅰ群、Ⅱ群、Ⅲ群』というランキングのようなものになり、各病院のメンツの問題となっているので、名称を変更した方がいい」という現状の改善を提案する意見も出されました。
小山信彌DPC評価分科会長(東邦大学医学部特任教授)は、「
Ⅲ群を更に細かく分けるという意見は少なかった」として、この日の議論を締めくくりました。
なお、今回のDPC評価分科会で意見として上がった、医療機関Ⅲ群の更なる機能別評価については、グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンが保有するDPC データを見てみると、「
在院日数マネジメントを表す効率性係数も、病床規模によってその傾向は異なる」ことがうかがえます(下記、グラフ参照)。
重症度を考慮した評価方法(CCPマトリックス)については、事務局からCCPマトリックスの検討の経緯と現状について報告がありました。
そのうえで、CCP マトリックスにかかる今後の対応については、「現行のツリー図および定義テーブルを用いた評価手法から CCP マトリックスへの移行については、現場での診療報酬請求・支払システム仕様への対応、償還価格決定のために必要なデータ収集等の様々な課題があるため、
平成 26 年度診療報酬改定で導入することは困難」であり、「
中長期的な課題として今後も引き続き検討していく」という案が提示されました。
なお、分科会では、重症度を考慮した評価方法(CCPマトリックス)については、藤森研司委員(北海道大学病院地域医療指導医支援センター長)より説明があり、説明後の意見交換では出席委員からは、「
初めてCCPマトリックスについて説明を受けたが、わかったような、わからなかったような内容だった」、「
大変面白い試みだが、本当に重症度とリンクするものになるのか」、
「こういったものはいいと思うが、医事システムが複雑化し、混乱することは避けて欲しい」などの意見が出され、引き続き検討班で作業されていくことが確認されました。
次回のDPC評価分科会の開催詳細は未定。詳細は、厚生労働省のホームページに掲載される予定です。
平成25年度第2回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会議事次第
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000030h55.html
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