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2007年10月25日

7対1の明暗…日本病院管理学会学術総会第1日目

今日から2日間、横浜ロイヤルパークホテルで「第45回日本病院管理学会学術総会」が開かれます。ホテル内の6会場で、「病院管理」にまつわるさまざまなプログラムが進行。私も、いくつか覗いてきましたが、ここではパネルディスカッションⅠ「7対1入院基本料の検証Ⅱ」についてお伝えします。  聖路加看護大学の井部俊子学長が座長役を務め、4人のパネリストが「7対1入院基本料はその後どうなっているか?」について発表。ちなみに、「Ⅱ」となっているのは、昨年11月に開かれた同学会第249回例会で同じテーマで検討が行われたからだそうです。大阪警察病院の増田副院長、日本赤十字社医療センターの竹内看護部長のお話を紹介します。 ●大阪警察病院・増田えみ副院長の話  約50人の増員を行って、10対1から7対1に。DPC導入効果もあいまって、在院日数は短縮、稼働率はアップ。平成18年度の救急搬入は前年比19%増と増え、手術件数も伸び、財務的に好転した。その結果、20年間据え置かれていた師長手当てや、副師長手当て、主任手当てなどの引き上げが実現。急性期病院の要である手術室や救急センターのほか、プリセプターなどについても、手当ての引き上げ・新設ができた。また、院内感染率の低下などのメリットも。

●日本赤十字社医療センター・竹内幸枝看護部長の話  赤十字医療施設は44都道府県に92カ所あり、このうち7対1を算定しているのは今年6月時点で55施設。これらの7対1を取得した病院では、新人指導の増加や、新人が増えて看護レベルが低下したことによる中堅層の疲弊などの弊害も起き、7対1取得によるゆとりはなかなか感じられない。また、周辺病院の病床縮小によるしわ寄せも。こうしたなか、赤十字グループでは、潜在看護師の再就職支援や定着促進に取り組み中。 「本当にケアを提供している病院を評価してほしい」「高齢化、重症化、ケア度の高さを考えると、5対1も必要ではないか」。

 質疑応答では、「看護必要度」についてもふれられ、パネリストの一人・古橋美智子・中医協専門委員(日本看護協会副会長)が中医協の動向を説明。厚労省の行った看護必要度調査では7対1病院と10対1病院に特に差が見られず、中医協委員からは「7対1配置は意味を為していないのでは?」といった指摘もあり、現在指標の見直しを行っているとのこと。

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広報部
広報部

事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。