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2008年04月03日

メイヨーのプレジデント兼CEOのDr. Corteseとのランチ

メイヨークリニックシンポジウム vol.7


シンポジウム最終日の11日の午前中は、再度シンポジウム参加者が3つのグループに別れ、2日目の午後と同様にブレインストーミング、そしてvoting(投票)が行われました。今回のテーマは、患者中心の医療改革を目指し「大統領と議会がとるべきアクション」でした。下記が、ディスカッションのサマリです。

1.Insurance For All(全ての国民に対する医療保険)  Ensure/mandate insurance coverage for all. 2.Pay For Value(価値に対する支払い) Direct Medicare to pay for value/outcomes/prevention using innovative payment models. 3.Care Coordination(ケアのコーディネーション) Reward care coordination (whether provided by primary care, specialist or other caregiver) 4.Interoperable EMR(互換性のある電子カルテ)  Require all providers to have interoperable electronic medical records within time certain (4-5 years) with patient accessibility. 5.Evidence-based Standards(エビデンスに基づく基準)  Establish national care standards using evidence-based medicine for as many conditions as possible. 6.Federal Health Reserve(連邦政府による医療の準備金)  Implement an independent “Federal Health Reserve” to set rules/standards to promote value in health care. 7.Insurance Options(保険の選択肢)  Promote individual-based insurance as an option along with employer-based insurance.


ディスカッション後のお昼は自由に会場横のレストランにて食事をすることになりました。そして、渡辺がなにげなく座った席の真横になんと、メイヨーのプレジデント兼CEOのDr. Corteseが “May I take this seat?”と近づいてこられたではありませんか!

Dr. Denis Cortese, M.D., Mayo Clinic’s president and chief executive officer

渡辺は“Of course!”と答えながらも少し緊張気味。しかし気さくなDr. Corteseとすぐに仲良しになり、ボブ・スモルト氏(メイヨー経営最高責任者でDr. Corteseと親友)が昨年来日した時の話、日本の医療の話、そしてDr. Corteseがお若い頃一緒に研修を受けた小林茂昭先生(現在特定・特別医療法人慈泉会の臨床研修センター長)と親友であること、など会話は弾みました。 さらに会話のなかで判明したのが、毎年シンポジウムには大統領を招待しているということ。 「毎年このポリシー・シンポジウムに大統領を招待するんだ。でも、一度だって本人達がホワイトハウスから来たためしがないんだよ。今年は3人の大統領候補を招待したけれど、出席は代理人だよ。またCMS(Center for Medicare & Medicaid Services)の代表者もシンポジウムに毎年招待するのに全然来ないんだ。我々はもっと真剣にアメリカの医療を考えてアクションをとる必要があるのに…。真の意味で変わらないといけないんだ!」と、ランチの席でも熱弁をふるうDr. Corteseに渡辺は改めて感激したそうです。 それにしても、ホワイトハウスから大統領を招待するというスケールの大きさはさすがメイヨー・クリニックですね。日本の病院ではちょっと考えられません。メイヨー・クリニックほどになれば、アメリカでの医療政策への影響が多大である事が容易に想像できます。

最終3日目の午後は、「大統領と議会がとるべきアクション」の発表会とDr. Corteseの最後の挨拶で感動的なエンディングとなりました。



広報部
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事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。