2008年06月26日
まずは共通の言葉探しから
「今しか返すときがない」
「追い出される」
「元々いた場所に帰る」
病院から在宅へ、患者さんに退院してもらう。
上の3つの言葉はすべて同じことを意味しています。ただ、最初の言葉は、病院側から見たもの。2番目は患者側。3番目は在宅のスタッフ…と、立場によって、使う言葉が違うという1例です。
これは、日本医療マネジメント学会学術総会の1コマ、「連携のための言葉」とうフリートークセッションで語られた内容です。
このセッションは、病院看護師として言葉を使う側、看護領域の標準マスターの開発に携わる側、大学で言葉を教える側、そして在宅ケアを行う看護師として言葉を使う側――という立場の異なる4人が登壇し、“言葉”という切り口から連携について考えるというものでした。
確かに、言葉はすべての基本となるもの。思考のための道具であり、意思疎通を図るための道具であり、考えや知識を共有化するための道具です。
白十字訪問看護ステーション所長の秋山さんは、「機能分化を進めるなかで、抜け落ちる情報がある」と言います。また、和歌山県立医科大学附属病院の木村さんは、「クリティカルパスにしても、病院によって使われる言葉が違う」と指摘します。
今、医療界では連携の重要性が増しています。今回の診療報酬改定でも高く評価されたポイントの1つです。ただ、実際に連携を行おうとすると、障壁があります。ITシステムを整えれば情報を共有できるというわけでもありません。スムーズな連携を実現するためには、言葉を見直し、共通言語を探すことが第一歩かもしれません。
それに、この「言葉」の問題は、他の組織、日常生活でも同じですよね。相手にわかる言葉で伝えること、共通の言葉を探すこと。私も心がけます。
[:星:]
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