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2009年03月22日

院内の連携はうまくいっていますか?――データマネジャー育成講座「初級編」2回目

昨日はデータマネジャー育成講座の第2回目。3連休の中日にもかかわらず、皆さんお集まりくださいました。なかには、「勉強するために」と、遠方から自費でいらっしゃっている方も。皆さんの勉強熱心な姿には本当に頭が下がります。



今回のテーマは、「各部署のかかわり」。医師、看護部、外来、手術室、地域連携、検査室、放射線部、薬剤部、リハビリ、栄養、医事、医療情報、用度、医療の質管理、企画…、それぞれの仕事は、DPCになることによって、どのように変わるのでしょうか、もしくは、変わらなければならないのでしょうか?

たとえば、医師の仕事。これまでの診療内容を見直し、在院日数は適切なのか、抗生剤の使用日数は適切なのか、そのほかの医療資源は…と、診療の標準化をめざし、改めて見直すことが必要です。 では、看護部は? DPCと看護部はあまり関係がないように思われることは多々ありますが、そうではありません。標準化を進めるにあたって重要なのが、クリティカルパス。そしてパスの作成・見直しをするには、看護師さんの関与が必須です。 また、病院の経費のうち、大きな部分を占める医薬品。これをコントロールする上で大きな役割を果たすのが当然、薬剤部です。薬剤部には、医薬品の銘柄・使用状況の標準化、ジェネリックの導入、服薬指導を進めることが求められます。

それぞれの部署で改善すべきことがありますが、「DPCだから」必要なわけではありません。いずれも医療の質を高めるために、そして一方で効率化を進めるために、必要なことです。ただ、「DPCだから」というわけではないものの、DPCのデータを使えば改善ポイントが可視化されるので見直しのよいきっかけになることは確かです。



今回のレクチャーでは、「所属する課の役割は何でしょうか?」「院内で連携がうまくいっている部署は? うまくいっていない部署は?」という2つについて、前後左右に座っている方々とざっくばらんに話していただきました。院内での連携については、「うまくいっています」という答えはお1人くらいで、ほとんどが「残念ながら、うまくいっていません」という回答。その理由として挙がったのは次のようなものです。 「各部署のDPCに関する知識が低い。医事課のアプローチが足りない」 「委員会がまだ存在感がないことと、コミュニケーションの連絡経路が確立されていないこと」 「一番のネックはDPCに興味のある医師とそうではない医師がいること。興味がある医師はほんの一握り」

今回の講座に参加されている医師からは、「もともと外部の研究会に参加していたのと、医事課や情報管理士さんたちに声をかけて院内でDPCに関する勉強会を定期的に行っていたので、DPCプロジェクトリーダーに指名されました。院内で勉強会を行った後は、毎回居酒屋でざっくばらんに話をするようにしていました」という話も。

このほか、連携がうまくいくために必要なこととして、次のようなことが指摘されました。 「他の部署が興味を持つような内容を提示して、連携を行うこと」 「医師については、科のトップの先生から協力を得られると、下の先生にまで浸透するし、カンファレンスに参加して説明することも可能」 「キーパーソンを増やしていくことが必要」 「キーマンとなる医師に理解を高めてもらって、院内を引っ張ってもらうような状況をつくることが大切。医師にはベンチマークデータを見せることが非常に有効」 「DPCの運用委員会に各部署のスタッフに加わっていただくこと。その場で幅広く話ができるし、協力を求めることも可能」


広報部
広報部

事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。