2009年04月28日
DPC対象病院からの自主退出は改定の半年前に――中医協・DPC評価分科会
本日開催された、中医協診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会(分科会長:横浜市立みなと赤十字病院長・西岡清氏)を傍聴してきました。今回の議事は、「DPCへの参加および退出について」と「調整係数廃止に伴う新たな機能評価係数等の検討について」の2点。
まず、「DPC対象病院への参加および退出のルール」に関しては、厚生労働省からたたき台の案が提出されました。案の概要は下記のとおりです。
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(1)参加のルール(=DPC対象病院の基準)
・「
診療録管理体制加算を算定していること」と明記
・DPC
準備病院の要件にも、「適切なコーディングに関する委員会の設置」と年に2回の開催を追加
・データ提出の通年化が実施された場合には、「データ/病床」比の基準等も検討
・準備病院になって時点で、「今後DPC対象病院となる可能性がある」旨を患者に周知
(2)退出のルール
①自主退出のルール
・退出する理由等を厚生労働省に届け出、厚労省事務局からDPC評価分科会に報告
・退出した後も、次期改定までの間は引き続き
DPCデータを提出
②その他
・「診療録管理体制加算」「データの提出」に関する基準については、現行の入院基本料と同様に、一定の猶予期間を設けて、要件を満たせない場合には、DPC対象病院から
除外
・特定機能病院は除外できないため、猶予期間の措置(マイナスの機能評価係数)を継続
・除外された後も、次期改定までは引き続き、
DPCデータを提出(3)参加、自主的退出の時期
・参加は、
改定が行われる年度当初のみ
・自主的退出は、
改定が行われる年度の前年度末のみ。退出する意志は、
6ヶ月以上前に示すこと
(4)再参加
再参加を希望する場合は、再度2年間の準備期間を経過し、他の基準を満たすこと
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「診療録管理加算を算定している、又は、同等の診療録管理体制を有すること」という現行の基準から、同加算を算定していることと限定することで参加のハードルが上がること、DPCへの参加と自主的退出を改定年度に限定することについては、反対意見も上がったものの、最終的には上記の案を「全般的に了承」。次回の基本問題小委員会に提出することになりました。
なお、DPCデータ提出の通年化については、現在、来年度からの実現に向けて予算を要求中とのことです。
一方、新たな機能評価係数については、「DPCデータを用いて分析が可能であるもの」「DPCデータによって一部分析が可能なもの、又は医療機関の負担が少なく速やかにデータを把握することが可能なもの」にわけて、評価すべき項目と評価指標の例が、厚労省事務局から提示されました(
資料はこちら)。これに対して、各委員から、「救急医療を実施していることの評価を、救急車の搬送数のみで測ってもいいのか?」「(救急や小児医療の実施などに関する指標について)割合ではなく、絶対数でみたほうがいいのではないか?」など、意見が飛び交いました。
新たな機能評価係数については、引き続き、松田研究班とともに具体的な評価指標について検討が重ねられます。
広報部 |
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