GHCブログ

2009年05月11日

データを情報に変え、共有財産とすること――広島赤十字・原爆病院 医事管理課 西田課長

大盛況に終わった研修会に大満足で… 広島赤十字・原爆病院 医事管理課 西田節子課長


4月24日(金)、広島赤十字・原爆病院さんの講義室にて、中国・四国・九州・沖縄ブロックの赤十字病院さんを対象に、EVE研修を行いました(研修会の様子はこちら)。皆さんをとりまとめ、この企画を進めてくださったのが、広島赤十字・原爆病院の医事管理課・西田節子課長です。本ブログ2度目のご登場となる西田課長に、今回の研修についてうかがいました。

――今回は複数の病院さんが集まっての研修ということで、院内の研修とはまた違いますよね。

日赤では、ブロックごとや職種ごとなど、病院の壁を越えて集まる機会は多いので、皆、違和感なく研修に参加できたと思います。 またタイミングも非常によかったですよね。調整係数が廃止されることへの危機感があり、それぞれの病院の院長先生方はDPCデータを分析して経営に活かすことの必要性を非常に感じています。先進的な病院ではすでに院内で分析を行っていることも知っていますので、自院の職員に分析を行うように言うわけですが、言われたほうはどのようにすべきかなかなかわかりません。今回、EVE研修に参加して、パワーポイントの使い方なども含め、意外と知らなかった部分もあり、自分自身、参考になりました。

――グループワークにしても、終始、非常に雰囲気よく終えましたね。

赤十字病院同士というのは悪く言えば無防備、良く言えば、信頼関係があります。お互いに情報をオープンにしていますので、電話やメール一本ですぐに情報交換できるような関係がすでにあります。だからこそ、今回のような研修会も非常にスムーズにうまくいったのでしょう。単に地域というだけの括りで、近隣の医療機関を集めても難しいのではないでしょうか。やはり担当者同士の顔が見えていることが重要です。

――なぜ、そんなにも信頼しあえる土壌があるのでしょうか?

日本赤十字社の社員であるという誇り、プライドですね。私は、たまたま赤十字社に就職したのですが、独特な伝統があります。そして、海外に行っても「Red Cross」といえば、どこでもすんなり認識される。また、名刺一つとっても、左上の赤十字のマークはどの病院でも必ず同じです。赤十字で仕事をしているというだけで、年齢も性別も職種も関係なく、垣根がとれるんです。

――西田課長は個人的にも、大学院の社会人枠でデータ解析の方法などについて勉強されているんですよね。しかも、毎朝、始業時間より随分早めに病院に行って仕事をされているともうかがっています。そのエネルギーがすごいですね。

「どうなんだろう?」と考えることがとくにかく面白い。EVEでの分析だけではなく、厚労省のデータとコラボしたりすることで、もっといろいろな角度から分析を行うことができます。効率性などの新しい指標で評価することも一つです。 病院を良くするために何をすべきかと考えるには、まずは自院の立ち位置を知ること。その際、ベンチマークはまさに有用です。自らの姿を鏡に写すようなものですから。 客観的なデータがなければ、人はどうしても期待値をもってみてしまいます。つまり、実際よりも良いイメージを描く。ですから、まずは自院の立ち位置を客観的に把握すること。そしてデータを情報に変え、共有財産とすること。データは他人に見てもらい、利用してこそ価値があります。一番いけないのは情報を自分だけで囲ってしまうことです。教えてなんぼ、なんですよ。院内で共有する、共有する仕組みをつくることが非常に重要ではないでしょうか。

みなさん、ありがとうございました!

広報部
広報部

事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。