2009年06月11日
HSPで作成した「政策提言書」がHPにアップされています
東京大学医療政策人材養成講座(HSP)のホームページに、「第5期生の研究成果物」として、渡辺が筆頭研究者を務めた研究の政策提言書「
患者や市民にとって“医療機関の選択に役立つ医療情報”の提供体制を構築する」が公開されました。
(おそらく春頃には公開されていたのですが…。いまさらのアナウンスでごめんなさい)
HSPは、医療を動かす“次世代リーダー”を養成するプログラムです。この講座では、卒業研究として、現実の医療政策課題を取り上げ、アンケートやインタビューを行って最終的に具体的な政策提言や学術論文にまとめるという共同研究を行います。共同研究では、①医療提供者、②政策立案者、③医療ジャーナリスト、④患者支援者――のそれぞれの立場の人が必ず1人は入っていることがルール。渡辺らの班も、医師(医療提供者)、厚労省関係者(政策立案者)、新聞記者・出版関係者(ジャーナリスト)、そして患者支援者として渡辺(コンサルタントは患者支援者になるんです!)と、立場の異なる面々でした。
この研究でめざしたのは、患者が医療機関を選択する際に有益な医療情報を、一般市民にもわかりやすい形で提供する仕組みを構築すること。患者さんが病院を選ぶ理由は、「家から近いから」「知り合いが行っていたから」「建物がきれいそうだから」などさまざまだと思いますが、本来、求めているのは「病気を治してくれる」病院です。でも、現状では「どの病院がいいのか」を患者さんが知ることは困難です。知りたいことと知ることができることにギャップがあるのです。「それってよくないよね」という素朴な想いから、この研究がスタートしました。
政策提言書では、対象疾患を大腸がんに絞り、医療の質を評価する手法として海外の学会で示されているエビデンスの高いQuality Indicator(QI)を抽出し、実際の臨床データ(DPCデータ、外来データ、院内がん登録)を使って医療機関をベンチマークした結果を紹介した上で、そうした情報を一般に届ける情報提供体制のモデルについても提案しています。
この政策提言書は、皆様のご支援のおかげで、光栄なことに
優秀成果物賞と優秀プレゼン賞をいただきました。
ぜひ、HSPホームページからダウンロードして、ご覧ください!
ちなみに、今週末開催の第11回日本医療マネジメント学会総会、来月下旬開催の第59回日本病院学会で、一般演題として渡辺が発表を行う予定です。それぞれの学会に参加を予定されている方は、ぜひ、お立ち寄りください。
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第11回日本医療マネジメント学会学術総会6月12日(金)15:11~16:00 一般演題(口演)DPC3 演題番号1-E-35 E会場
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第59回日本病院学会7月23日(木)15:00~16:00 一般口演22 DPC(1) 演題番号Ⅰ-13-13-08 第13会場
最後に1つ、朗報です。
文部科学省の予算で運営されていたHSPは、5期(2009年3月修了生)で一旦、幕をおろしたものの、個人、組織、一般企業の寄附をもとに、今夏、正式に講座として再スタートする目処が立ったそうです。
そして本当に最後にもう1つ。HSPのプログラムディレクター高本眞一先生は、この4月より、GHCクライアント病院である三井記念病院の病院長にご就任されました。これもご縁ですね。
広報部 |
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事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。
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