2009年10月06日
システムの標準化には、病院側がフローの標準化を――DPC評価分科会
月曜日、DPC評価分科会(分科会長:西岡清・横浜市立みなと赤十字病院院長)の会合が開かれました。
この日の議題は、
保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)からのヒアリング、平成21年DPC評価分科会における特別調査結果について、新たな機能評価係数に係る特別調査の集計結果(速報)――の3つ。
JAHISとは、保険医療福祉分野の情報システムの標準化や技術の向上、品質・安全性の確保などを目的にした業界団体(9月現在で338社加盟)です。
これまでの同分科会での議論のなかで、「システムによってはアップコーディングを誘導するようなものがあるのでは?」といった意見が聞かれたことから、ベンダー側のヒアリングとして、JAHISを対象としたヒアリングが行われました。
まず、委員から上がったのは、「コーディングは適切に行われるのか? ともすればアップコーディングになるものがあるのでは?」という質問。これに対し、JAHIS・DPC委員会委員長の真野氏は、「SEの立場ではどういったことはできない。正しくコーディングすることが制度を運営する上で必須で、JAHISとしてはやっていないと信じている」と断言。ただ、「『少しでも高い点数を取りたい』という要望を病院側から聞いたことはあり、やっている可能性はゼロではないかもしれません」と若干、言葉を濁していました。
このほか、改定ごとにかかる費用やベンダー間での連携の問題などが委員から指摘される一方で、松田委員からは、「病院側がフローを揃えてあげなければ、企業はそれぞれに合わせなければならないので大変」と、病院側のフローの標準化が必要であることが指摘されました。
2つ目の議題が、先月24日、25日に行われた医療機関へのヒアリングの結果。
再転棟の割合が多い病院、DICの出現割合が多い病院、DPC導入後に効率化が非常に進んだ病院など、ヒアリングを行ったそれぞれの項目ごとに結果がまとめられた資料をもとに、フリーディスカッションが行われました。
再転棟に関しては、「ケアミックスの病院のなかには、不適切な転棟でアップコーディングが行われていないか?」「DPCに参加している病院にはいろいろな種類があることがわかった。病院の機能の整理につなげていく必要がある」といった意見が聞かれました。また、厚労省側からは、「もともとは再入院に関して調査し、3日以内ルール(3日以内の再入院は1入院とみなすルール)を決めていただいた。ケアミックスの病院が多く入ってきた結果、同じようなことが転棟によって行われていないか? 一部、不適切な例が出てきているので、防止策を検討しようということ」と、何らかのルールを検討することを示唆されました。
また、DPC導入前後の診療内容の変化に関連しては、小山委員が「(調整係数によって前年度の実績を保障する仕組みについて)毎年リセットする必要があるのではないか?」とコメント。2010年度以降、調整係数が廃止されるといわれているなか、「少なくとも2年、ないしは4年残るのですから」というざっくばらんな小山委員の発言に、西岡分科会が苦笑いするという場面もありました。
広報部 |
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