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2013年07月22日

入院調査・評価分科会 特定除外制度廃止を検討

7月17日(水)、厚生労働省(以下、厚労省)にて入院医療等の調査・評価分科会が開催されました。 今回は、170ページ以上の膨大な資料のもと、「一般病棟入院基本料」「亜急性期入院医療管理料」の見直しについて、「医療提供体制が十分ではなく医療機関の機能分化を進めることが困難な地域」に配慮した評価に関して、議論されました。 当日の資料は下記から確認できます。 平成25年度第6回入院医療等の調査・評価分科会議事次第 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000036hdq-att/2r98520000036hhj.pdf 今回の議題のなかで、争点となったのは、7対1一般入院基本料を算定している病院(以下、7対1)10対1一般入院基本料を算定している病院(以下、10対1)で今後「特定除外制度」を継続していくかについて。 厚労省が実施した分析結果から、「特定除外制度」に該当する患者の入院日数を平均在院日数の対象とした場合、平均在院日数への影響は、7対1の場合、約1.5日程度の増加となることが明らかになりました(図表1)。 図表1 特定除外患者を含めて計算した場合の平均在院日数 7m22d図表2 出典:平成25年度第6回 入院医療等の調査・評価分科会(7月17日開催) 厚労省配布資料「入-1」P52より http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000036hdq-att/2r98520000036hhj.pdf こうした結果を受けて、武久洋三委員(医療法人平成博愛会 理事長)は、「90日以上、入院して治らない人がいることによって、高度な医療を必要とする新しい患者受け入れることができないというのは良くない」といった主旨の内容をコメント。 各委員、廃止の方向を検討すべきといった意見が多かったなかで、石川広己委員(社会医療法人社団千葉県勤労者医療協会 理事長)は、「いきなり廃止されると現場が混乱して大変なことが起こる」と廃止反対の意向を示しました。 これに対し、武久委員は、「7対1で90日を超えている患者のうち、特定除外患者の割合は3.7%しかいない(図表2参照)。」と指摘。「これだけしかいないのに大変なことが起きるというのは理解できない」と発言したところ、石川委員は「この割合にも地域差がある」と述べました。 図表2 90日超患者のうちの特定除外患者割合 7m22d図表1 出典:平成25年度第6回 入院医療等の調査・評価分科会(7月17日開催) 厚労省配布資料「入-1」P49より http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000036hdq-att/2r98520000036hhj.pdf こうした意見を参考に地域差などを踏まえ、厚労省でさらに分析していくこととなりました。 また、今回注目すべき点は、DPCデータの提出が7対1入院基本料算定の要件として検討されていること。この点に関しては、数人の委員から入院医療をモニタリングしていくうえでは、有効であるといった賛成意見があがりました。 弊社では、DPCデータを活用し、毎月発行しているマンスリーレポート(/service/report)などでも、さまざまな角度から医療分析を実施し、掲載しています。 今後、DPCデータが7対1算定の要件となった際には、これまで蓄積してきたデータ活用に関するノウハウを幅広い分野で活かしていきたいと思います。 なお、今回の配布資料のなかに議題を踏まえたイメージ図(図表3)が掲載されていました。これに対してはほとんど意見交換が行われませんでしたが、次回改定時に厚労省が描いている医療連携・機能分化に関するイメージを把握するうえでの参考になさってください。 図表3 論点を踏まえたイメージ図 7m17d図 出典:平成25年度第6回 入院医療等の調査・評価分科会(7月17日開催) 厚労省配布資料「入-1」P172より http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000036hdq-att/2r98520000036hhj.pdf 次回は、今回の議論を踏まえ、中医協総会に提案する中間とりまとめ素案が公表される予定。 【参考資料】 平成25年度第6回入院医療等の調査・評価分科会議事次第 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000036hdq.html

広報部
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事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。