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2010年03月13日

がん拠点病院の相談支援センター、3割が専従スタッフ0人

「がん診療連携拠点病院の緩和ケア及び相談支援センターに関する調査―2008年度調査結果報告書―」が、国立がんセンターがん対策情報センターが運営する「がん情報サービス」に3月2日付で掲載されています。

この調査は、財団法人がん集学的治療研究財団が厚生労働省委託事業「インターネットを活用した専門医の育成等事業」の一環として実施したもの。 がん診療連携拠点病院378施設(2009年2月現在指定の351施設+2009年4月指定予定の25施設)を調査対象に、緩和ケア機能と相談支援機能の充足の程度を評価することを目的に行われました。

ここでは、相談支援機能に関する結果の一部を紹介します。

まず、相談支援センターの人員について。 2008年3月1日付の「がん診療連携拠点病院の整備について」では、「国立がんセンター癌対策情報センターによる研修を修了した専従及び専任の相談支援に携わる者をそれぞれ1人以上配置すること」と書かれています。なお、専従と専任については以下のように説明されています。  ○専従:その就業時間の少なくとも8割以上、従事している  ○専任:その就業時間の少なくとも5割以上、従事している

調査結果では、専従スタッフの人数は、「1人」が最も多く42.1%、続いて「0人」の28.0%でした。専任スタッフの人数も「1人」が37.8%で最も多く、次が「0人」で32.0%。 病院種別に見ると、がんセンター/成人病センターでは54.8%の施設で4人以上の専従スタッフがいるのに対し、大学病院では13.0%、その他の一般病院では5.9%と大きな開きがありました。

また、医師が配置されているのは全体の23.0%。病院種別では、がんセンター/成人病センターでは35.5%、大学病院では39.0%、その他一般病院では17.0%でした。

このほか、情報収集に関する項目では、平成19年度調査と比較してポイントが上がっている項目が多く見られました。5ポイント以上増えていたのは、次の項目です。 「県内のすべての拠点病院の概要について情報をある程度提供できる」64%⇒75.1% 「県内のすべての拠点病院のがん種ごとの対応状況について情報をある程度提供できる」37.1%⇒50.3% 「地域の拠点病院以外のがんに対応できる医療機関について情報をある程度提供できる」56.7%⇒68.3% 「地域でがんの緩和ケアに対応できる医療機関について情報をある程度提供できる」84.4%⇒90.2% 「地域のセカンドオピニオンに対応する医療機関についての情報をある程度提供できる」80.5%⇒86.8% 「地域の相談窓口等の情報をある程度提供できる」77.1%⇒87.0% 「がんに関する一般的な医療情報についてある程度提供できる」87.3%⇒92.9% 「中皮腫に関する情報をある程度提供できる」56.9%⇒65.9% 「地域の患者会に関する情報をある程度提供できる」48.2%⇒63.5% 「都道府県連絡協議会に相談支援センターのサブグループが設置されている」40.2%⇒58.7% 「都道府県連絡協議会に設置されている相談支援センターのサブグループに参加している」39.4%⇒57.9% 「県内の拠点病院の相談支援センターと地域の医療機関の情報を交換する体制となっている」22.7%⇒33.1% 「県内の拠点病院の相談支援センターと地域の医療機関の情報を共有する体制となって いる」17.0%⇒22.5% 「県内の医療機関の情報について、都道府県の調査データをある程度利用している」30.9%⇒45.5%


最後に、相談実施状況は、最大455件/週という病院がある一方で、週5件未満の病院もあり、大きな格差が見られました。

「がん診療連携拠点病院の緩和ケア及び相談支援センターに関する調査-2008年度調査結果報告書-」の内容は、下記のサイトからダウンロードすることが可能です。

http://ganjoho.ncc.go.jp/public/hospital/2008.html

広報部
広報部

事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。