2010年03月30日
急性期看護補助体制加算の看護補助者は24時間配置が必要?――東海地区自治体コンソーシアム
25日、名古屋駅近くの会場で、ToCoM(東海地区自治体病院コンソーシアム)の第3回会合が開かれました。今回は、「Mini ToCoM(ミニトーコム)」ということで、4月の診療報酬改定をテーマに、過去2回よりも少人数で情報交換を行いました。
まず、報告を行ったのは、名古屋市立東部医療センター東市民病院・管理部の後藤文範氏。診療報酬改定に関する説明会にも参加されたという後藤さんは、改定の概要と、説明会でのQ&Aを紹介してくださいました。
後藤さんによると、多くの説明会、セミナーで質問が集中する項目が、明細書発行、急性期看護補助体制加算、栄養サポートチーム加算の3点だそうです。
今回の会合でも、明細書の発行について、「がんなどの未告知患者に対してはどう対応するのか?」、「明細書を見て疑問を抱いた患者さんへの対応は?」といった質問が参加者からあがり、後藤さんから「説明会では、厚生労働省の担当者からは『Q&Aは出します』という話はあったものの、まずは病院個々で対応を、という話でした」と回答がありました。
また、急性期看護補助体制加算の算定を現時点で予定している病院は、13病院中6病院ほど。情報交換では、看護補助者の配置について議論が集中しました。施設基準では「看護要員の配置については、各病棟の入院患者の状態等保険医療機関の実情に応じ、曜日や時間帯によって一定の範囲で傾斜配置できる」となっているものの、24時間の配置が必要なのかという点で疑問が残りました。
栄養サポートチーム加算の算定については、「研修内容が不明確」との理由から算定が可能かはいずれの病院も検討中の様子。これについても、厚生労働省から出される疑義解釈(Q&A)を待つことになりそうです。
この日の会合では、このほか、GHCマネージャーの相馬から「2010年度診療報酬改定のポイント~ToCoM参加病院での考察~」として、参加病院の実際のデータを用いながら、「救命救急入院料」、「特定集中治療室管理料」、「栄養サポートチーム加算」などの改定項目ごとに今回の改定がどのようなインパクトを与えるのか、説明を行いました。また、ケース分析として、狭心症症例を例に、制度設計、点数設定の変更によってどのように変わるか、シミュレーションも行いました。
最後に、岐阜県総合医療センターの谿花因氏とGHC芦田より、事前アンケートで集めた診療報酬改定に関する疑問事項と医療機関別係数について、フィードバックと解説がなされました。係数算出のロジックや誤解されやすいポイントの解説を通じて、係数の高低だけで一喜一憂できるものでないことや、ToCoM参加病院に限って言えば、カバー率指数の妥当性とともに、救急医療係数の微妙さが実感としてクローズアップされました。
こうした率直な議論も、顔の見えるもの同士、実名で比較しているからこそ実現することかもしれません。
この日は、13病院25名程度が参加。3回目の会合ということで、参加者から活発に発言が見られるなど、お互い「顔の見える関係」として、これまで以上に議論が弾んでいました。
◎関連ブログ
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2010年2月2日ブログ
「地域全体で目に見えて改善――東海地区自治体病院コンソーシアム」—–
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事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。
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