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2010年05月20日

様式1の見直し案、概ね決定――DPC評価分科会

本日、DPC評価分科会の会合が開かれました。 議題は、次の3つです。

1 平成22年度診療報酬改定(DPC)における高額薬剤の取り扱いに関する検討結果について 2 伏見研究班からの報告について→様式1のデータから分析できること 3 平成22年度調査に向けた様式1の見直し(案)について

西岡分科会長(右)と小山分分科会長代理

まず、議題1の高額薬剤に関しては、平成20年4月から22年3月までの間に新たに薬価収載、あるいは効能追加が行われた高額薬剤23製品(19薬効)について、①パターン1:新たな診断群分類を設定して包括評価(12薬剤)、②パターン2:既存の診断群分類のなかで包括評価(4薬剤)、③パターン3:十分なデータが得られず、引き続き出来高算定(3薬剤)――と3パターンに整理されています。このうち、パターン1とパターン2に該当する薬剤に対して、「平均在院日数の変動」と「1入院当たりの薬剤費を含む平均医療資源投入量の変動」について分析が行われました。

厚生労働省事務局から、この分析結果について説明があり、既存の診断群分類で包括評価された薬剤は、「ドキソルビシン」以外は、新しい診断群分類を設定して評価した薬剤に比べて変動が小さい傾向が認められたことが報告されました。

結果、ドキソルビシン関連の5つの診断群分類(120010xx97x40x、120010xx97x41x、 120010xx99x40x、120010xx99x41x、120010xx01x4xx)に関しては、ドキソルビシンの使用有無に関係なく、出来高算定することとなりました。


また、様式1に関しては、まず、様式1データを分析することで把握できることについて松田委員より報告が行われ、これを基に、厚生労働省事務局から「様式1見直し(案)」が提案され、概ね、了承されました。

まず、全体の共通ルールとして、現行の非必須項目は、「廃止」あるいは「疾患を限定するなどして必須」のいずれかとなりました。

見直し案の概要は下記の通りです。

【データ属性等】 □「患者住所地域の郵便番号」…新規追加

【入退院情報】 □「退院先」…内容を追加(老健施設への入所) □「前回退院年月日」…初回入院以外は必須 □「前回同一疾病で自院入院の有無」…初回入院以外は必須

【手術情報】 □「ICD9-CMコード」…廃止

【診療情報】 □「身長」「体重」…必須・新規追加 □「喫煙指数」…必須 □「退院時意識障害がある場合のJCS」…必須 □「入院時のADLスコア」…必須 □「退院時のADLスコア」…必須 □「褥瘡ステージ NPUAP分類」…廃止 □「がんの初発、再発」…必須 □「UICCの病期分類(T)(N)(M)」…必須((10)が初発である場合には入力) □「がんのStage分類」…廃止 □「がん患者のPerformance Status」…廃止 □「脊髄麻痺患者の入院時の重症度」…廃止 □「入院時のmodified Rankin Scale」…必須・新規追加 □「退院時のmodified Rankin Scale」…必須・新規追加 □「脳卒中の発症時期」…必須・新規追加 □「Hugh-Jones分類」…必須 □「心不全のNYHA心機能分類」…必須 □「狭心症、慢性虚血性心疾患における入院時の重症度:CCS分類入院時における重症度」…必須 □「急性心筋梗塞における入院時の重症度:Killip分類入院時における重症度」…必須 □「肺炎の重症度分類」…必須・新規追加 □「肝硬変のChild-Pugh分類」…必須 □「急性膵炎の重症度分類」…必須 □「多発性骨髄腫の病型分類」…廃止 □「急性白血病の病型分類(FAB分類)」…廃止 □「非ホジキン病の病期分類」…廃止 □「その他の重症度分類・名称」…廃止(空欄として残す) □「その他の重症度分類・分類番号または記号」…廃止(空欄として残す) □「救急カテ実施時間(外来受診―カテ開始までの時間)」…廃止 □「救急脳血管障害検査実施時間」…廃止 □「ASA米国麻酔学会による分類」…廃止 □「予定しない再手術(48時間以内)」…廃止 □「予定しない外来処置後の入院」…廃止 □「2日以内のICUへの再入室(48時間以内)」…廃止 □「ICUへの緊急入室」…廃止 □「精神保健福祉法における入院形態」…必須 □「精神保健福祉法に基づく隔離日数」…必須 □「精神保健福祉法に基づく身体拘束日数」…必須 □「入院時のGAF尺度」…必須 □「退院時のGAF尺度」…廃止? □「外傷の受傷機転」…廃止 □「入院時のGlasgow Coma Scale」…廃止 □「入院時収縮期血圧」…廃止 □「入院時呼吸回数」…廃止 □「頭頸部最大AIS」…廃止 □「顔面最大AIS」…廃止 □「胸部最大AIS」…廃止 □「腹部最大AIS」…廃止 □「四肢最大AIS」…廃止 □「体表最大AIS」…廃止

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広報部
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事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。