GHCブログ

2010年09月21日

DPCデータだけではなく、外来、部門別、財務…など、多角的な分析を――診療情報管理学会ランチョンセミナー

長野で開催された第36回日本診療情報管理学会学術大会で、16日(木)、ランチョンセミナーを開催いたしました。

学会長を佐久総合病院の夏川周介先生が担当され、事前の準備から当日の運営まで佐久総合病院さんが担当されていました。雨の中、会場までの案内も!

ランチョンセミナーは、8時20分からの整理券配布開始でしたが、GHCメンバーが到着したときにはすでに長蛇の列。250枚のチケットはものの見事に5分ほどで終了したようです。しかも、ランチョンセミナーが始まると、「チケットはないけれど聞きたいんです!」と、立ち見の方まで。ありがとうございます。

セミナーは、GHC代表の渡辺の座長の下、広島市立広島市民病院の医療支援センター診療情報管理室 主幹・梅本礼子氏、GHCマネジャー相馬理人が、「診療データを病院経営に活かす!~DPCデータ、院内がん登録データ、外来データの戦略的活用~」について講演を行いました。

広島市民病院・梅本礼子氏

トップバッターの梅本氏は、広島市民病院が行っている診療情報の活用について話してくださいました。まず、厚生労働省が公表しているDPCデータと院内のデータを比較した診療実績の分析、マーケットシェアの分析について説明。梅本氏は、「地域における診療実績を評価する際、特に希少症例を評価する際には、厚労省のデータでは半年間で10症例未満のデータは表示されていないことを念頭に、自院の状況をきちんと把握した上で、院内にフィードバックすることが大事」と指摘されました。

次に、院内がん登録データを用いた、がんの臓器別、ステージ別の診療内容の分析については、院内での分析結果のほか、「院内の状況を把握するのみならず、他の病院ではどのような診療を行っているのか、他院とベンチマークすることが大切です」と、GHCが分析した分析結果も紹介してくださいました。 また、外来情報も紐づけて分析を行うこと、DPCデータに各部門の情報もあわせて分析を行うことの必要性を訴えました。

さらに講演の最後に紹介してくださったのは、市民や患者さんに向けた情報公開について。がんが発見されたきっかけとステージの関連性など、実際に市民公開講座で一般の方向けに伝えた内容を紹介した上で、「患者さんやご家族の視点に立って、どのような情報を知りたいのか、提供してほしいのか、どのような情報が提示できる病院がすばらしいと思えるのかを常に考えながら、診療情報管理士として与えられた使命を全うしたい」と締めくくりました。


GHC相馬理人

続いて登壇したGHC相馬からは、DPCデータ、外来データ、レセプトデータ、部門別データ、連携・紹介データ、手術データなど、どんな病院でも院内のどこかにある既存データを一元管理し、院内をさまざまな角度から分析、把握することの必要性、重要性について話をしました。

2年に一度の診療報酬改定など、病院を取り巻く環境がめまぐるしく変わる中、継続的な改善を行うには、病院経営者が意思決定やマネジメントを行うにあたって必要な経営指標をタイムリーかつ継続的にモニタリングしていくことが重要であります。そうしたニーズを受けてGHCが現在開発を進めている、財務、DPC、外来、レセプト、手術、コスト、看護必要度といった、あらゆる既存データをもとに他施設とベンチマークした資料を経時的に提供していく、web上の配信サービス「病院ダッシュボード」について、構想を説明させていただきました。


広報部
広報部

事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。