2010年11月22日
中医協で起きていること――『行列のできる審議会』(ロハスメディア)
長年、医療機関に勤めていらっしゃる人でも、中医協(中央社会保険医療協議会)を傍聴したことがある人は、少ないのではないでしょうか?
中医協とは、周知の通り、「診療報酬改定にかかる基本方針」に沿って、点数設定を審議する会議です。
病院経営者は皆、2年に1度の改定で、新しい診療報酬点数が突然登場したり、「ハシゴ外し」と言われるように、算定を促すために高い点数をつけていた項目がガクッと下がったりと、改定の度に、「次年度はどうなるのか?」と、やきもきされているかと思います。そして、突然表れるこうした点数は一体、どうやって決まっているのか、と不思議に思っているのではないでしょうか。
実は中医協を一般に公開するようになったのは、割と最近のことで1997年からです。議事録までホームページ上で公開するようになったのは、もっと最近で2004年から。いわゆる中医協汚職事件が起こり、改革が行われたのがきっかけです。それまではまさに密室の会合でした。
ただ、確かに情報公開は進みましたが、実際に中医協を傍聴していても、結局どうやって決まったんだろう、とわからないことも多いです。改定の間際になって、ようやく厚労省から具体的な点数がバタバタバタッと提示されたり、議論が進展していないなと思ったら突然何かが決まっていたり。
そうした中医協にまつわるさまざまな疑問、もやもや感を解消してくれる本が出ました。先月発行された、「
ロハス・メディカル」論説委員・新井裕充さんの『行列のできる審議会―中医協の真実』(ロハスメディア)です。
中医協(DPC評価分科会の話も出てきます)で起こっていることを、実際の委員の発言も含め、そして新井さんの鋭い眼差しも含めて、わかりやすく、読みやすく書いてあります。
読みながら、「そうか、裏ではそういうやり取りがあったんだな」と気づかされること、「あぁ!そういう言い回し、よく聞くな!」と頷いてしますこともしばしば。一般の方が読んでも面白いと思いますが、医療に携わっている人にとってはより興味深いと思います。ぜひ、書店にて探してみてください。カバーの、柔らかいタッチのイラストもかわいいです。
『行列のできる審議会―中医協の真実』
新井裕充 著
ロハスメディア 発行
1,600円(税別)
http://lohasmedical.jp/books/
広報部 |
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事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。
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