GHCブログ

2010年11月26日

精神科病棟へのDPC導入は却下

11月24日、厚生労働省でDPC評価分科会の会合が開催されました。 まず、前回(10月26日)の会合で挙がった主な検討事項、意見について厚生労働省の担当者から説明があり、続いて、「平成23年度参加病院の追加に伴う医療機関別係数の設定について(案)」、「精神科病棟入院患者と一般病棟に入院する精神患者の比較について(松田委員提出資料)」、「DPC制度の概要と基本的な考え方(2)」について議論が行われました。

まず、「平成23年度参加病院の追加に伴う医療機関別係数の設定について(案)」に関しては、下記が厚労省より提案され、了承されました。

平成23年度より62病院(平成22年11月11日現在)が新規にDPC制度に参加を予定。

(1)既存対象病院の医療機関別係数 ①機能評価係数Ⅰ、調整係数は現行値を引き続き使用する ②機能評価係数Ⅱは、既存対象病院も年度ごとに改め、平成23年度参加病院も含めた再計算により設定する

(2)平成23年度参加病院の医療機関別係数 原則として従前の考え方により設定。平成22年度の機能評価係数Ⅱの導入に伴い、以下の点を追加、または修正する。 ①暫定調整係数への換算定数(λ)については、平成22年改定で用いた値(既存対象病院のみで算出した値)を使用(λ=0.9777) ②改定をまたぐ場合の調整係数は、今回改定での機能評価係数Ⅱの導入に伴い、医療費規模をより性格に反映させるため、平成21年度の6ヶ月データ及び平成22年度4ヶ月データのそれぞれから導かれる調整係数の加重平均とする(従前は単純平均)



続いて、「精神科病棟入院患者と一般病棟に入院する精神患者の比較について(松田委員提出資料)」では、松田委員(産業医科大学医学部公衆衛生学教授)から、配布資料について説明がありました。 MDC17に該当する患者を対象に、一般病床と精神病床ではどのように違いがあるのか、「拘束および隔離の状況」、「精神保健福祉法に基づく入院形態」、「手術の状況」、「救急車の利用、退院先と転帰」の違いを調査した結果を説明。

その後、「精神科病棟の場合、DPCは難しいということ?」という齊藤委員(社会保険中央総合病院名誉院長)からの質問に対し、「急性期での評価をそのまま精神病床にうつすのは、医療資源のこともあり難しい」(松田委員)と回答。精神科病棟にDPCを導入することは検討しないとのことでまとまりました。


続きは次回に…

—–

広報部
広報部

事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。