2014年02月14日
今期診療報酬の各項目点数が明らかに!
2月12日、
中央社会保険医療協議会(以下、中医協)総会が都内で開催されました。厚生労働省(以下、厚労省)より提案があった次期診療報酬改定の案が了承されました。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000037024.html
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今期の診療報酬改定のポイント
GHCでは、診療報酬改定情報に関しては、
コンサルタント兼広報室の湯原淳平が主に担当しており、改定情報を興味深く追っています。
そんな湯原が注目したポイントは、
地域包括ケア病棟の要件の中に、平成26年3月31日時点(なんと来月!)に10対1、13対1の病院は地域包括ケア病棟を作って、看護師の傾斜配置により急性期病棟に7対1を算定できる人員を確保できたとしても、地域包括ケア病棟を届け出ている間は7対1を算定できないとなっており、「7対1は何が何でも増やさない!」という強い意思が読み取れる点です。
また、今回
減点措置で大きいところは、①
紹介率逆紹介率の低い地域医療支援病院や特定機能病院(500床以上)における初診料と外来診療料、②
妥結率の低い200床以上病院の初診料、再診料、外来診療料です。これは、
今回上がった(含む消費増税対応分)初診料、外来診療料をベースに点数を設定するのではなく、2012年制度の初診料、外来診療料をベースに減点措置を作っているので、今まで以上に減点インパクトが大きいです。
更に、
経過措置の期間がかなり短い項目も。例えば、亜急性期病床入院医療管理料は、今年の9月31日までというように、経過措置(猶予期間)が半年というものが散見され、厚労省のスピード感に社会保障制度改革に対する覚悟を感じる、と湯原は語っています。
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注目の改定項目
今期診療報酬では、その他、GHCが注目した改定項目を一部紹介します。特に、高度急性期に対して評価が充実された「
総合入院体制加算」と「
特定集中治療室管理料(ICU)」。
総合入院体制加算1は240点と、従来の体制である総合入院体制加算2の120点の2倍の点数。人工心肺を用いた手術や放射線治療、化学療法および分娩件数等に係る一定の実績を全て有することに加え、精神病床を持つことが要件に加わっています。また、1,2とも
地域包括ケア・療養病棟の届出ができないこともポイントです。
出典:第271回中央社会保険医療協議会 総会(2月12日開催)厚労省配布資料(総-1)P14より
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000037009.pdf
また、医師の複数配置、臨床工学技士の24時間勤務体制など、より診療密度の高い診療体制にある特定集中治療室管理料(ICU)、
重症度が高いハイケアユニット入院医療管理料(HCU)に対する点数も大幅にアップしました。
従来の体制のIUCとHCUの点数は変わりませんが重症度基準が変わります。こちらも
経過措置は2015年3月31日までと半年。
出典:第271回中央社会保険医療協議会 総会(2月12日開催) 厚労省配布資料(総-1)P7より
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000037009.pdf
出典:第272回中央社会保険医療協議会 総会(2月12日開催) 厚労省配布資料(総-1)P9~10より
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000037009.pdf
その他、
短期滞在手術等基本料(いわゆるDRG)の点数も明らかになりました。
GHCで試算したところ、在院日数を変更しなかった場合、年間数百万円程度増収、減収するといった程度の影響の病院が多いですが、
中には数千万円以上の増収、または減収の影響がでる病院もあり、対象手術等の症例数の多い各病院においては、短期滞在手術等基本料の試算が必須です(参照:下図、短期滞在手術等基本料によるインパクト、304病院)。
※対象手術等については、第272回中央社会保険医療協議会 総会(2月12日開催)の厚労省配布資料(別紙1-1(医科診療報酬点数表))の「医科-入院料等-65/71」以降のページを参照。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000037011.pdf
更に、
救急医療管理加算に関しての見直しも行われ、理由項目の
「コのその他(「ア」から「ケ」に準ずるような重篤な状態)」で算定した場合、「救急医療管理加算2」にとなり、評価は現行の半分の400点に。また、
「救急医療管理加算2」の加算をした場合、年に1度、「コ」に該当する患者の概要について報告を行うこととなりました。こちらも、「コ」に該当する患者で救急医療管理加算を算定している医療機関にとっては大きな影響がありますので、理由項目のチェックは必須です。
中医協総会会場の風景
(手前:診療側委員、奥:支払側委員。周りで撮影をしているのは各メディアの取材陣や中医協を傍聴にきている一般の方々です)
次回の中医協総会の開催は3月中旬頃(事務局)。詳細は、厚生労働省のホームページに掲載される予定です。
【参考資料】
中央社会保険医療協議会 総会 (第272回)議事次第
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000037024.html
【参考URL】
2014年度改定 亜急性期病床廃止、「地域包括ケア病棟」の登場(2014年1月30日GHCブログ)
/3737.html
中医協総会 DPC制度2014年度改定内容の大部分が決定(2014年1月24日GHCブログ)
/3717.html
今年最初の中医協総会が開催 次期診療報酬改定の骨子が決定!!(2014年1月16日GHCブログ)
/3687.html
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