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2011年02月11日

これまでの議論内容を再整理!

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2月9日DPC評価分科会が開催されました。 前回と比べると一般傍聴席のマスコミ関係者の数は少ないようでしたが、空席はわずかでした。





今回は、前回の同分科会で提案された「基礎係数」のなかの「医療機関群」を具体的にどのように分けていくのかが、争点となるかと期待して訪れたマスコミ関係者も多かったはずです。しかし、実際には、これまでの同分科会での議事概要の説明や合意を得られてきた議題の再確認が主な内容となりました。

そのなかで、「DPC/PDPS調整係数見直し後の医療機関別係数のあり方」について、三上委員・日本医師会常任理事、特定医療法人三上会総合病院東香里病院理事長から、「基礎係数」の具体的方法として示されている「直近の診療実績(改定2年間分の出来高実績データ)に基づき、医療機関群毎に1件あたり平均償還額により算出」について、「出来高で高い点数であった病院は、高い群になるということは従来の調整係数でやっていたことを踏襲するということ?」という主旨の疑問があがりました。

これに対し、厚労省保険局医療課丸山主査が「医療機関をどう分けるかということがポイントとなってくる」と述べたうえで、「出来高の点数が高いところを群でわけるのか、きちんと役割でみて群でまとめるのかによって差異が出てくるのではないかと思っております」と回答。


———————————————————————————————————————– 「DPC/PDPS調整係数見直し後の医療機関別係数のあり方」(配布資料参考)

1. DPC/PDPS調整係数見直し後の医療機関別係数として、基礎係数、機能評価係数Ⅰ及び機能評価係数Ⅱを合算した値とする方向で検討する。

(1) 基礎係数 a 基本的考え方 ・それぞれの医療機関群毎の基本的な診療機能を評価 ・DPC/PDPSに参加する病院の診療機能(施設特性)を反映させるため、DPC/PDPS参加病院を幾つかの医療機関群に分類 b 具体的方法 ・直近の診療実績(改定前2年間分の出来高実績データ)に基づき、医療機関群毎に1件あたり平均償還額により算出

(2) 機能評価係数Ⅰ a 基本的考え方 ・医療機関の人員配置や医療機関全体として有する機能等を反映 ・出来高点数体系で評価されている構造的因子を反映 b 具体的方法 ・医療機関全体として有する機能等に着目して設定されている出来高点数を医療機関別係数に換算(出来高点数体系で評価されていることが前提)

(3) 機能評価係数Ⅱ(※) a 基本的考え方 ・DPC/PDPS参加による医療提供体制全体としての効率改善等へのインセンティブを評価 b 具体的方法 ・機能評価係数Ⅱに配分される一定の財源を各係数に按分し、各医療機関の診療実績等に応じて、その配分額を算出 ・最終的に算出された配分額を医療機関別係数に換算

※平成22年改定で導入されたものと必ずしも一致しない。 2. 検討にあたっては、医療機関群の設定方法等を含め、データに基づく具体的な検証を踏まえるものとする。

3. 実際に制度移行する場合の経過措置(激変緩和)については、別途検討を行う。

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一方、機能評価係数Ⅱの意味については下記の図が提示されました。




このなかの「救急医療係数」は、「包括点数では評価が困難な救急入院初期の検査等を評価する」という考え方から係数設定がなされているため、「医療機関の(救急医療における)基本的な診療機能のバラつきを評価するという側面も有している」とし、そのあり方について今後議論を重ねていく方向となりました。

また、包括評価をより適切なものにするために、診療報酬改定において、診断群分類(DPC)の精緻化を行い、バラつきの大きいDPCについては包括対象外とする原則で対応するとともに、これで対応できないものについては、以下の原則による見直しについての議論を今後も実施していくとの意見で合意を得られました。 1技術的な色彩の強い項目の除外 2診療報酬項目の特性に応じた評価の見直し 3包括範囲からの除外 4包括点数設定方式の見直し 5新規技術に係る取扱いルールの設定

さらに、抗がん剤を含めた高額薬剤等の問題は、「高額な費用のかかる副傷病に対する治療として生じる問題」と「がんの化学療法等で入院する場合に、在院日数が短いと十分な包括報酬が得られない問題」の2つのポイントについて今後、議論を進めていくとのこと。

最後に西岡清分科会長の交代が告げられ、「DPCを採用される病院が急性期病院の半分以上となり、医療の透明化と標準化が進んだ」といった主旨のコメントを話され、「私のお役が終わった」と笑顔で話され、会場からは拍手がわきあがっていました。


参考資料:厚生労働省「平成22年度第11回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会 議事次第」 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000128co.html

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