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2011年08月29日

日本看護管理学会で看護必要度研究発表を行いました!

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8月25日に、第15回日本看護管理学会(東京・京王プラザホテル)のインフォメーションエクスチェンジにて、看護必要度共同勉強会の成果を発表しました。発表者は昨年も同カテゴリーで発表して頂いた滋賀医科大学付属病院看護部高見知世子氏です。朝1番の発表だったにも関わらず、150人掛けの椅子は満席、立ち見も出るほど多くの人に来て頂きました。

第15回日本看護管理学会で発表する高見氏




発表テーマは「看護必要度データとDPCデータとの統合による戦略的データ分析への取り組み~ベンチマークによる看護必要度分析の新たな展開~」で、計13病院の看護必要度データ、DPCデータを使ってベンチマークを実施した分析結果を発表しました。看護必要度について昨年は多くの演題が持たれていましたが、今回の看護管理学会では3つと少なく、DPCデータといかにしてひもづけて評価をするか、DPCコード以外の情報をどう付加していくかということが課題として上がっていました。

今回の共同勉強会の発表では、MDC2ごとのA項目(モニタリング・処置項目)、B項目(患者の状況項目)のデータ上から見る特性だけでなく、発表2日前に行われた共同勉強会での議論を通して得られた意見を紹介しました。例えば眼科ではA、B両項目共に点数は低いが、手術件数、入退院件数など、看護必要度点数に表れない「忙しさ」も議論の考慮に入れる必要があるといった補足も加えることにより、臨床現場から参加されている方にはより納得感が高かったようで、会場では頷き、隣の人と確認し合っている様子が多々見られました。

特に会場の反応が大きかったところは、看護必要度データとDPCデータとをひもづけけした「乳房の悪性腫瘍 手術あり」の各病院での術後経過日数比較です。病院間のA項目、B項目のばらつき、非常にシンプルな看護行為を実施しているところから、非常に手厚く介入しているところの差に会場は驚いていたようでした。さらに、各病院の在院日数、術式割合を紹介することで、治療内容との関連や在院日数へのつながりをより理解頂けたのではないかと思います。年々DPC関連病院が増える中、診療内容はシンプル・効率化・標準化が進んでいても、看護内容の標準化はまだまだだと実感しました。

看護必要度点数は、DPCデータと組み合わせることにより看護の標準化、均てん化を進める可能性を秘めています。どの病院でも看護師は圧倒的多数を占めており、看護師の業務の効率化は仕事満足度の向上に直結し、定着促進や雇用確保の面から見ても重要なことです。看護体制の配置条件や急性期看護補助体制加算条件といった経営的側面を評価するためだけではなく、看護を可視化し標準化を進める可能性を実感して頂けたことが、看護管理学会発表の大きな成果ではないかと思います。

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広報部
広報部

事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。