2011年11月28日
中医協 支払い側と診療側で次回診療報酬改定の意見に相違
先週の金曜日(25日)に開催された
中央社会保険医療協議会(
中医協)の模様について、25日のブログに引き続き、お伝えします。
25日開催された
中医協の会場風景
今回の
中医協は、医療提供体制における
入院医療(高度急性期・一般急性期、亜急性期等、長期療養、有床診療所、地域特性)についての議論。
入院医療における、看護必要度などを利用した評価について、「
一般病棟の5割を占める、7対1一般病棟入院基本料について、患者像に即した適切な評価や病床の機能分化を推進する観点から、どのような評価が適切か。また患者像に即した適切な評価は7対1一般病棟入院基本料以外の病床(10対1一般病棟入院基本料や特定機能病院入院基本料)でも必要ではないか」という厚労省側の提案に対し、
福井トシ子委員(日本看護協会常任理事)から「
看護必要度で評価していくことには賛成。DPCデータと連動して対応していくべき」といった内容の意見が挙がりました。
また、小児集中治療室(PICU)については、「
小児集中治療について、小児専門ICUに特化し、救命救急を受け入れている場合に、その特性に応じた評価」を導入していくことや、亜急性期入院医療などについても議論されました。
厚労省側から「
亜急性期(回復期)の入院医療については、急性期病棟内の病室単位での評価と、独立した病棟での病棟全体での評価が必要であるが、その評価としては、適切な範囲で別に算定可能な項目を設定すれば、病棟と病室の違いを勘案したうえで、患者の状態に合わせた同等の包括範囲、点数を設定することが可能ではないか」といった提案がなされました。これに対して、「
亜急性期と回復期は似ているが厳密には違うので、同様に扱うべきではない」といった意見などがあがり、今後さらに議論していく方向となりました。
そのほか、有床診療所の有効活用方法や医療提供が困難な地域における医療機関どのように評価していくかなどの地域特性に関する議題も行われ、厚労省側から、「
医療提供が困難な地域の考え方について(案)」として、「
1自己完結した医療提供」「2医療従事者の確保が困難な地域」「3医療機関が少ない地域」の3つを満たす地域として43医療圏を提示しました。
これに対して「
43医療圏の状況をもう少し具体的に提示してほしい」といった意見などがあがったため、次回以降にさらに議論していくこととなりました。
図 医療提供が困難な地域の考え方について(案)最後に一号側(支払い側)委員と二号側(診療側)委員からそれぞれ連名の意見書が
森田朗会長(東京大学大学院法学政治学研究科教授)に提出されました。
主な内容としては、一号側委員は「
患者負担や保険料の増加につながる診療報酬全体の引き上げを行うことはとうてい国民の理解と納得が得られない」と、診療報酬の引き下げを求め、二号側委員は「
診療報酬の引き上げによる医療費全体の底上げ」をといった正反対の主張がされていました。
これについても次回以降にさらに議論を深めていくこととなりました。
参考資料:厚労省ホームページ「中央社会保険医療協議会 総会 (第208回) 議事次第」
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001vpkq.html—–
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