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2011年12月09日

DPC評価分科会 機能評価係数2 具体案ほぼ決定。退院患者調査を活用した評価を拡充

12月9日、DPC評価分科会(会長=小山信彌・東邦大学医学部外科学講座教授)が厚労省で開催されました。


本日のDPC評価分科会は厚労省にある広い講堂で実施



本日はこれまで議論されてきた機能評価係数2の内容の整理と具体案の検討が行われました。

機能評価係数2とは、データ提出係数、効率性係数、複雑性係数、カバー率係数、救急医療係数、地域医療係数の6項目から構成されています()。

図 機能評価係数2の最終的見直し案



平成24年改定の骨子は、 ・新設項目はなし(従前の6項目評価) ・退院患者調査を活用した実績評価や定量評価の拡充 ・評価項目の特性や実態を踏まえた評価手法/項目の精緻化・拡充 になります。

なお、現行の評価方法の継続が決まっている項目は、効率性指数複雑性指数カバー率指数の3項目。 見直しが検討されている項目が、データ提出指数救急医療指数地域医療指数の3項目です。 データ提出指数については、平成25年度から、データ提出指数の評価対象を拡大する方向で委員の意見がまとまりました。今回、例としてあがっていた項目が、郵便番号や、がんのUICC分類、そのほかの疾患特異的な重症度分類など。

これについては、新たに精査した「部位不明・詳細コード」の使用割合が●●%以上の場合に当該評価を0.05点・1年の間、減算。なお、「●●%」はこれまでの実績から改めて設置する方向。

救急医療指数については、「救急医療係数」を「救急医療指数」として引き続き評価。この「係数」と「指数」については、「報酬となる評価値を直接算出する『係数』としての取扱いを廃止し、『指数』として設定」するとのこと。具体的な算出方法については、今後、中医協総会で議論する予定です。


見直しが検討されている項目のなかでも最も複雑なのが、「地域医療指数」。見直しのポイントは下記2点。

1退院患者調査データを活用した地域医療への貢献について、地域で発生する患者に対する各病院の患者シェアによる定量的評価を導入 2地域医療計画等に基づく体制を評価(ポイント制)についても現状を踏まえ見直す

新設される1の「定量評価指数」については、 「当該医療機関の所属地域における担当患者数/当該医療機関の所属地域における発生患者数」で導き出された数値を小児(15歳未満)とそれ以外(15歳以上)に分けてそれぞれ評価するようです。

なお、「所属地域」については、医療機関群ごとで異なり、 ・大学病院本院及び高診療密度病院群(仮称)・・・3次医療圏 ・その他急性期病院群・・・2次医療圏

集計対象とする「患者」とは「DPC病院に入院した患者」を指します。 2については既存の7ポイント制から、10ポイント制(脳卒中地域連携、がん地域連携、地域がん登録、救急医療、災害時における医療、へき地の医療、周産期医療、がん診療連携拠点病院〔新規〕、24時間tPA体制〔新規〕、EMIS:広域災害救急医療情報システム〔新規〕)に変更され、7ポイント満点になるようです。 これについて、相川直樹委員(慶応義塾大学名誉教授)から、「7ポイントを上限にした根拠はあるのか」といった主旨の質問が厚労省担当官に投げかけられ、「根拠はありません」と回答していました。


図 機能評価係数Ⅱ(6項目)の具体的な見直し案 



DPC評価分科会のこの後の議論の続きは月曜日に!

参考資料:厚労省ホームページ 平成23年度第11回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会 議事次第 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001xn4o.html

今回ブログに使用した資料は 「平成24年改定に向けた機能評価係数Ⅱの見直しについて(4)」のP2、P4、P5 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001xn4o-att/2r9852000001xn9m.pdf になります。

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広報部
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事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。