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2011年12月14日

DPC評価分科会 外来EFファイルを提出した「その他急性期病院群」データ提出係数に一定の評価を上乗せ

12月14日、DPC評価分科会が開催されました。 平成23年のDPC評価分科会は本日で最後になります。


今年最後のDPC評価分科会。各委員の表情にも余裕が見られます



さて、本日は、来週実施される中央社会保険医療協議会中医協)総会で報告する内容について同分科会でのこれまでの決定事項に対する委員の最終承認を得ていきました。

中医協総会に報告する内容は以下の3点。 1基礎係数設定のための医療機関群の具体案 2機能評価係数1・2の具体案 3算定ルール等の見直し案

1の基礎係数については、これまで議論してきた、医療機関群を「大学病院本院群」「高診療密度病院群(仮)」「その他急性期病院群」の3群にすることや、「高診療密度病院群(仮)」の要件などについて報告する予定とのこと。

2の機能評価係数1・2については、本日、議論した内容を踏まえ、いくつかの修正を加えることになりました。

具体的な修正点は、まず、「地域加算」と「離島加算」について、入院患者全員に算定可能な入院基本料等加算に該当することから、今後は機能評価係数1として評価することで各委員の合意が得られました。 また、機能評価係数2については、厚労省が各都道府県の医療機関に向けて実施した地域医療指数に関するアンケート調査結果から、「救急医療」の体制評価のうち、「二次救急医療機関・拠点型」については位置づけが不明確であり見直すべきとの指摘がありました。 これについて、「拠点型若しくは、」という文言を削除し、報告することとなりました(図1)。

図1



加えて、前回議題にあがっていた、「その他急性期病院群」の外来EFファイルの提出に対するインセンティブの検討についてですが、外来EFファイルを提出した医療機関には、「データ提出係数」に一定のインセンティブ(0.05点を目安に加算)を上乗せする方向で各委員の合意を得られました。

3の算定ルールについては、以下の3点について中医協総会での議論も踏まえて、引き続き、議論を継続することになりました。 1小児入院医療管理料・亜急性期入院医療管理料等の特定入院料の取扱い (評価のあり方) 2 在院時期に応じた適切な薬剤料等包括評価のあり方 3 高額薬剤等に係る対応 また、24年改定までに診断群分類点数表も見直す予定(図2)。

図2




様式1のフォーマットについても現行の患者1名につき、1行のデータ記録方式から、より拡張性の高い仕様へと移行していく予定です。 ただし、これは調査票の大幅な変更を伴い、現場への影響が大きいため、一定の準備期間を経て、実施する方向となりました(図3)。

図3




さらに、同分科会から中医協総会に「出来高算定病院に対するDPCデータ提出の枠組みの創設」を提言することが決定しました。

これは、DPC制度施行後、DPCデータ(様式1・EFファイル等)の分析と評価により、さまざまな角度から医療を分析できるようになった現状を踏まえ、DPC/PDPSに参加していない医療機関にも、何らかのインセンティブを付与しつつ、DPCデータに相当する診療データを提出してもらい、診療の分析と評価が可能な枠組みを創設してはどうかというもの。

これについては、各委員から、賛同の声があがり、小山信彌分科会会長(東邦大学医学部外科学講座教授)は、「データを出していき、診療の分析・評価していくことは、日本の医療を良くしていくことにつながっていく」といった主旨の内容をコメントしていました。

参考資料:厚労省ホームページ 平成23年度第12回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会 議事次第 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001y16k.html 今回ブログに使用した資料は 「機能評価係数1の整理・機能評価係数2に関する追加検討」のP2 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001y16k-att/2r9852000001y21d.pdf 「平成24年度の退院患者調査について」のP4、P5 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001y16k-att/2r9852000001y1bp.pdf

になります。

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広報部
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