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2012年01月13日

中医協 平成24年度診療報酬改定に関するこれまでの議論を整理した案を公表!

13日の金曜日、中央社会保険医療協議会 総会中医協)が厚労省で開催されました。

厚労省にある講堂で開催




今回は、平成24年診療報酬改定に向けたこれまでの議論内容をまとめた「平成24年診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案)」が公表されました。 今回、同案の内容を中医協で議論し、各委員から集めた意見を踏まえ、必要に応じて加筆・修正などを行い、来週水曜日(18日)の中医協総会で、修正案について議論したうえで、パブリックコメントを求めるようです。

なお本日、提案された同案(計39頁)の資料の目次は下記になります。これは、平成23年12月1日に社会保障審議会医療保険部会・医療部会においてとりまとめられた、「平成24年診療報酬改定の基本方針」に沿って目次立てされているそうです。

平成24年診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案)目次

重点課題1 急性期医療の適切な提供に向けた病院勤務医等の負担の大きな医療従事者の負担軽減

重点課題2 医療と介護の役割分担の明確化と地域における連携体制の強化の推進及び地域生活を支える在宅医療等の充実

充実が求められる分野を適切に評価していく視点 患者からみて分かりやすく納得でき、安心・安全で、生活の質にも配慮した医療を実現する視点 医療機能の分化と連携等を通じて、質が高く効率的な医療を実現する視点 効率化余地があると思われる領域を適正化する視点

なお、これまで診療報酬調査専門組織 DPC評価分科会で議論されてきた内容は、「Ⅲ 医療機能の分化と連携等を通じて、質が高く効率的な医療を実現する視点」のなかに下記のようにまとめられていました。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 厚労省資料26ページから

(6)DPC/PDPS(急性期入院医療の診断群分類に基づく定額報酬算定制度)について以下の見直しを行う。

1 調整係数については、今後段階的に基礎係数(包括範囲・平均出来高点数に相当)と機能評価係数Ⅱに置換えることとし、平成24年改定において必要な措置を講じる。なお、基礎係数については、機能や役割に応じた医療機関群別に設定する。

2 機能評価係数1・2について、以下の見直しを行う。 ・ 機能評価係数1 出来高評価体系における「当該医療機関の入院患者全員に対して算定される加算」や「入院基本料の補正値」等を機能評価係数1として評価する。 ・機能評価係数2 現行の機能評価係数2(6項目)を基本として必要な見直しを行う。 また、その際、項目により各医療機関群の特性に対応した評価手法を導入する(複雑性指数、カバー率指数、救急医療指数、地域医療指数)。

3 その他 ・特定入院料の取扱い(評価のあり方)、在院時期に応じた適切な薬剤料等包括評価のあり方、高額薬剤等に係る対応等、現行DPC/PDPSの算定ルール等に係る課題について必要な見直しを行う。 ・急性期入院医療を担う医療機関の機能や役割を適切に分析・評価するため、DPC対象病院の外来診療に係るデータの提出を求める(大学病院本院及び(仮称)高診療密度病院群の施設は必須とし、その他急性期病院群の施設は任意とする)。

(7)DPC対象病院ではない、出来高算定病院(7対1一般病棟入院基本料を算定している医療機関等)が、診療している患者の病態や実施した医療行為の内容等についてデータを提出した場合の評価を行う。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

これに対して中医協委員から、診療報酬における点数設定については、「DPC病院で働く医療関係者が納得する内容にしてほしい」といった要望があがりました。そのほかは特に目立った意見はありませんでした。

平成24年診療報酬改定では、医療機関群の設定などこれまでのDPC制度に大きな変更が加えられる予定です。国は現場が混乱しないように事務作業など、業務量が多くなりそうな変更点については、事前に調査を実施し、激変緩和措置を検討する方向です。 また、(7)はDPC評価分科会から、中医協総会に提案したところ、合意を得られ加えられた項目です。これは、DPC制度を導入した医療機関のDPCデータが日本の医療の可視化に大きく貢献し、医療制度の方向性を議論するうえで不可欠な資料として、国が意識しはじめたということだと思います。今後DPCデータの重要性がさらに増してくる可能性は高いと思います。

なお、今回DPC制度から退出する医療機関が公表されました。DPC制度から退出する医療機関は改定時以外今回がはじめてとのこと。具体的には、京都府にある医療法人財団康生会東山武田病院です。退出理由は、「平成23年12月31日付で医療機関が閉院することになったため」とのこと。

そのほか同案に対してさまざまな意見がでましたが、その議論内容は、月曜日に掲載する予定です。

【参考資料】 厚労省ホームページ「これまでの議論の整理(現時点の骨子)(その1)」 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001zphk-att/2r9852000001zplz.pdf

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広報部
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