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2012年01月27日

中医協 平成24年診療報酬改定案の概要を公開

25日のブログで、中央社会保険医療協議会中医協)総会にて公表された今年の診療報酬改定のDPC制度(DPC/PDPS)に関する具体案についてお伝えいたしました。 その追記ですが、「部位不明・詳細不明のコード」の使用割合が、現行基準40パーセントから20パーセントに変更されることが決定いたしました。 これは、DPC病院で適正なコーディングが意識されている現状を踏まえての改定とのことです。 (平成24年度改定に向けたDPC制度の対応について総5-1-2P27から) さて、27日、中医協総会が厚労省の12階の会議室で開催されました。 中医協総会前の支払い側委員の様子 今回は「短冊」と呼ばれている診療報酬改定案の概要の一部である「個別改定項目について(その1)」(以下、改定資料)が公表されました。 今回の改定資料は、あくまでも概要なので、細かい点数や数値などは、まだ空欄の部分もありましたが、新設される加算には(新)というマークがついていたり、変更前後の算定要件がならべて記載されていたりするなど、一目で改定内容がわかる大変わかりやすくまとめられた内容でした。 これまで診療側と支払い側の意見がかみあわず、たびたび議論されてきた「再診料」については今回の改定資料には、複数科受診における再診料加算の具体案が提案(下記)されていました。 (改定資料P29から) ■初・再診料及び関連する加算の評価 1.再診料、外来診療料について、同一日の2科目の再診について評価を行う。 (新) 再診料 ○点(同一日2科目の場合) (新) 外来診療料 ○点(同一日2科目の場合) [算定要件] 1 同一日に他の傷病(一つ目の診療科で診療を受けた疾病又は診療継続中の疾病と同一の疾病又は互いの関連のある疾病以外の疾病のことをいう。)について、新たに別の診療科(医療法上の標榜診療科のことをいう。)を再診として受診した場合(一つ目の診療科の保険医と同一の保険医から診察を受けた場合を除く。)に算定する。 2 2科目の再診料又は外来診療料を算定する場合は、乳幼児加算、外来管理加算等の加算点数は算定できない。 この具体案について支払い側の白川修二委員(健康保険組合連合会専務理事)は、明確に反対の意向を示し、「今までと同じことをやってもらっているのに、負担(診療代)だけが増えることが社会に受け入れられるだろうか」といった内容をコメントしました。この議論は今回も結論が出ませんでした。 また、改定資料P90に記載されている、「一般病棟における7対1入院基本料の算定要件の見直し」の看護必要度の基準の引きあげについて嘉山孝正委員(独立行政法人国立がん研究センター理事長/山形大学医学部大学院教授)は、「現状の看護必要度は、評価基準が偏っていると思っている。具体的には、ほとんどが循環系で、神経系が入っていない。例えば、がん患者はせん妄状態になるとつきっきりで看護しなければならない。そうした神経系のケアに関する基準の創設も勘案してほしい」といった主旨の内容を発言。これに対し、厚労省担当官は、「大変重要なご指摘」と述べたうえで「平成24年度改定までに見直すことは難しいが、現在の看護必要度の基準は平成5年か6年に策定されたものなので、医療の進歩など現状に則したものへの改定を考えたい」といった内容を回答しました。 (改定資料P90から) そのほか改定資料P 102の「医療の提供が困難な地域に配慮した評価」について鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)から「医療の提供が困難なわけではないので、“医療資源が少ない地域”などとしたほうが良いのでは」という指摘があり、タイトルが変更されることとなりました。 なお、今回の改定案では該当する地域にある医療機関は、入院基本料の要件が緩和される予定ですが、DPC病院は対象外であることが改定資料には明記されていました。 (改定資料p102から) 最後に、森田朗会長(東京大学大学院法学政治学研究科教授)は、これまでの議論を踏まえて、「かなり長期的に検討していかなければならない課題がいくつかあるため、今回の答申とあわせて、付帯意見案を後日事務局(厚労省)に提出していただきたい」と述べ、「それまでに意見がある人は事務局(厚労省)へ言ってほしい」と各委員に呼びかけました。 参考資料:厚労省ホームページ「中央社会保険医療協議会 総会 (第218回) 議事次第」 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000215yd.html 個別改定項目について(その1)(改定資料) http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000215yd-att/2r98520000021634.pdf 平成24年度改定に向けたDPC制度の対応について 総-5-2 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000020zbe-att/2r98520000020zhb.pdf

広報部
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事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。