2013年10月23日
中央社会保険医療協議会総会が開催 DPC評価分科会中間報告を議論
10月16日、中央社会保険医療協議会(以下、中医協)総会が開催されました。
当日は、関東地方に接近する台風としては、10年に一度の最強台風の影響で、首都圏の交通機関は運休や遅れが生じていたのにもかかわらず、朝9時からの中医協総会には多くの傍聴者が訪れていました。
今回の中医協では
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診療報酬調査専門組織「DPC評価分科会」からの報告(中間報告)について
が、議題となり、
これまでDPC評価分科会で議論されてきたDPC病院群や機能評価係数Ⅱ、いわゆるDRG方式の点数制度の適用拡大などについて方向性が固まりました。
小山信彌DPC評価分科会長・東邦大学医学部特任教授と事務局(厚生労働省)より提示されたDPC制度(DPC/PDPS)に係るこれまでの検討状況(中間報告)の案によりますと、
基礎係数では、Ⅲ群の細分化は行わず、Ⅱ群要件である医師研修の評価は基幹型臨床研修指定病院の実績のみで算出するとのこと。
機能評価係数Ⅱでは、2012年度改定の考え方を維持し、現行の機能評価係数Ⅱの6項目のうち「複雑性指数」、「カバー率指数」、「救急医療指数」は現状維持。「データ指数」はデータの質を評価する新たな方法を検討。
「効率性指数」では後発医薬品の使用割合を評価するようです。
「地域医療指数」は従来の「4疾病・5事業」に加え、「精神疾患」を加えた「5疾病・5事業」を評価する方向でまとまりました。なお、
「5事業」に追加される予定であった「在宅医療」については現時点で「在宅医療」の指標を作るのは困難であるため本指数への反映は見送るとのこと。
その他、次回改定で見直しが検討されている内容は、
「点数設定方法 D(高額薬剤に対応するために導入した点数設定方式)の適用のあり方を高額な薬剤を使用する診断群分類だけでなく、高額な材料を用いる検査(心臓カテーテル検査等)等についても検討する」、
「3日以内に再入院となった場合の算定ルールの適切な見直しに向けて検討をする」などです。
委員からは、「
3日以内の再入院に関すること」、「
後発薬品使用割合による評価」などが話題となりました。特に、3日以内に再入院した症例のなかで、前回入院時の「医療資源を最も投入した傷病名」と再入院時の「入院の契機となった傷病名」が一致しない症例数の割合が、5割もある状況について、
「なんでこんな状況が起こるのか、素人感覚ではわからない。病院側の制度の悪用ではないか?」(支払側委員)といった厳しい指摘がありました。
今回、提案された中間報告の内容と方向性については、中医協総会で承認。今
後は、今回の議論内容を踏まえ、次回改定に向けて、DPC評価分科会でさらに整理・検討が行われ、2013年12月を目途に最終案をとりまとめる予定。今回の中間報告の承認により
次回改定の方向性(上記報告内容参照)が見えてきました。
また、同日、報告事項として「
2012年度DPC導入の影響評価に係る調査「退院患者調査」の結果報告」と「
2012年度特別調査(ヒアリング調査・アンケート調査)」が公表され、こちらも中医協として承認されました。
次回の中医協総会は事務局より10月下旬ころに開催予定と事務局より報告がありました。詳しくは、厚生労働省のホームページを参照ください。
【参考資料】
中央社会保険医療協議会 総会 (第251回)議事次第
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000025991.html
DPC制度(DPC/PDPS)に係るこれまでの検討状況について(中間報告)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000026250.pdf
平成2014年度 DPC 導入の影響評価に係る調査「退院患者調査」の 結果報告について
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000026252.pdf
平成2014年度特別調査(ヒアリング調査・アンケート調査)の結果報告について(概要版)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000026254.pdf
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