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2012年07月19日

中医協 医療機関コスト調査協力病院に調査専任の人材を設置する費用の確保を提案

18日、厚生労働省(以下、厚労省)で中央社会保険医療協議会 総会(以下、中医協)を開催。 冷房のきいた涼しい講堂 今回、特にさまざまな意見が飛び交った議題が、診療報酬調査専門組織・医療機関のコスト調査分科会からの報告でした。 本日の中医協が開催される前に、同分科会の平成23年度の調査結果を田中滋分科会長(慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授)が報告。そのなかで、中医協で議論が予定されていた、同分科会の報告に関する議題もあわせて話し合われました。 同分科会では、「診療報酬体系に医療機関のコスト等を適切に反映させるため、医療機関の診療科部門別収支の統一的な計算方法を開発すること」を目的に平成15年から調査研究を実施。これまで平成20年度、平成22年度の調査結果が報告されてきました。 調査継続上の問題は、「調査客体医療機関の負担が大きく、調査対象病院の確保が難しく、調査に参加しても途中で辞退する病院が多いこと」です。 具体的な過去の調査状況は、平成20年度は調査協力を依頼した597病院のうち、調査を完了した病院は127病院、平成22年度は、簡素化を図ったものの、調査協力を依頼した1,738 病院のうち調査を完了した病院は187 病院。そして、平成23年度は、調査協力を依頼した2,899 病院のうち調査を完了した病院は181 病院という結果でした。 この調査状況を踏まえて安達秀樹(京都府医師会副会長)は、調査対象となった病院数が少ない点について「各調査の計算方法が確立しているにもかかわらず、この数値が全体の平均値を表しているのかという、一番大きなところで疑問をもたざるをえない」と指摘。 今後、同調査研究の客体医療機関数を増やし、さらなる情報を得るためにも、各病院が調査研究を行う専従の人材を設置できる費用を(国が)カバーできる予算をとることを厚労省に提案しました。 これに対して厚労省担当官からは特に何も回答はありませんでしたが、この安達委員の意見に、複数の中医協委員が賛同。 最後に森田朗会長(東京大学大学院法学政治学研究科教授)から調査研究の「手法としては確立されている。今後はデータをどう集めるかが論点だと思う。事務局がそうした内容を整理して今後検討してはどうか」という呼びかけがあり、合意が得られました。 中医協総会の様子は、金曜日のブログでも引き続き、報告いたします。 参考資料: 中央社会保険医療協議会 総会(第228回)議事次第 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002f1gj.html 中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会 (第159回)議事次第 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002f1b4.html

広報部
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