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2013年10月31日

DPC評価分科会が開催 特別調査(ヒアリング)を実施

昨日(30日)、診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会(以下DPC評価分科会)が厚生労働省にて開催されました。 今回のDPC評価分科会では、7つの病院に対し特別調査のヒアリングが行われました。 131030DPC 今回のヒアリングは3項目(「様式1「救急医療入院」の入力」、「後発医薬品の使用割合」、「入院時の持参薬のあり方」)。ヒアリング対象は、平成24年度のDPC データを集計し、それぞれの項目で割合の高い医療機関と低い医療機関でした。 131030ヒアリング先 当日の配布資料 出典:平成25年度第8回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会(10月30日開催) 厚労省配布資料「診調組D-3」より http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000027950.pdf   「様式1「救急医療入院」の入力」、では、「救急医療入院の割合」の全国平均が26.89%(DPC病院・DPC準備病院)のところ、今回招聘された2病院はそれぞれ75.23%、73.93%と高い割合を占めていることが報告されました。病院側の説明によりますと、地域の高齢者施設から、施設の自家用車で運ばれてくる肺炎と骨折の患者が多い、症状が急変しがちな小児患者の割合が高い、高齢者率が低い地域であるため、慢性疾患による通院率が低く、予定入院者数も少ない、などの理由により、救急医療入院の割合がたかいとのこと。また、救急医療入院の要件のうち、「その他上記の要件に準ずるような重篤な状態」に該当する入院割合(310番の300番台に占める割合)についても指摘。 委員からも、各病院での「予定外入院症例と救急医療入院症例の使い分け」などについて活発に質問がありました。 「後発医薬品の使用割合」では、割合が高い病院が「後発薬の使用割合を30%以上にするという目標設定があったため導入が早くできた」という経緯を報告。その際、医師の主導による取り組みでなく、薬剤課(薬剤師)主導の元、後発薬の使用割合を上げていく取り組みをしたのが良かったとのことです。 割合が低い病院は、後発薬の「使用理由がない」、「後発薬が原因と思われる副作用があるというイメージ」があり、なかなか導入が進まなかった経緯を報告。しかし、最近後発薬を導入し始め、「経営的にもプラスになり、効果・副作用とも問題ない、今後、導入を拡大していきたい」とのことでした。 「入院時の持参薬のあり方」では、包括範囲の内服薬の使用量の多い/少ない症例割合の高さを判断基準に3つの病院からヒアリングを行い、使用量が少ない病院の特徴として、「予定入院の場合は、定期服用している薬を患者さんに持参してもらっている」、「病院の各病棟に担当の薬剤師が配置されており、持参薬の持ち込みに対応できている」点が紹介されました。 一方、内服薬の使用量が多い病院は、各病棟に薬剤師がいないので、患者さんの安全面を確保できず、持参薬の持ち込みは原則禁止していることが報告され、将来的に薬剤師が各病棟に配置されたら「持参薬の対応は変わってくる」という見解も出されました。 持参薬のあり方については、「持参してもらい管理していく方向」と「原則禁止の方向」のどちらを選択するのかを含め、今後、分科会で議論されていく見込みです。 「ヒアリングについてはネガティブなイメージが定着しているが、より適切な見直しに向けてヒアリング調査を実施した。本日のヒアリングを参考にしながら、次期診療報酬改定の議論を引き続き行っていく」(小山信彌分科会長・東邦大学医学部特任教授)とヒアリングを締めくくりました。 今回、DPC評価分科会でヒアリング対象なりました「様式1「救急医療入院」の入力」と「後発医薬品の使用割合」につきましては、GHCでは『マンスリーレポート』の2013年3月号と2013年6月号で(GHC『医療分析レポート』の15号と18号)で、それぞれGHCが保有するDPCデータを使い分析結果を紹介していますので、あわせてご参照ください。 医療分析レポート 次回のDPC評価分科会の開催は未定です。詳細は、厚生労働省のホームページをご確認ください。 *参考資料* 平成25年度第8回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会議事次第 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000026413.html CBニュースGHC『医療分析レポート』(15号)「「予定・救急医療入院」の解釈に病院格差」 http://www.cabrain.net/news/article/newsId/39466.html CBニュースGHC『医療分析レポート』(18号)「後発医薬品の採用状況を徹底分析する」 http://www.cabrain.net/news/article/newsId/40178.html 『マンスリーレポート』のご購読や詳細は下記からご覧ください! /service/report

広報部
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