2014年05月02日
【医科歯科連携】心臓手術前の抜歯のリスク、米メイヨーが研究報告
歯科業界向け専門紙「日本歯科新聞」の4月15日発行号で、興味深い記事を見つけましたので共有させてください。心臓病患者への抜歯について、標準治療の前提に疑いがあるとの報告を、米メイヨークリニックの研究グループが報告しています。
記事で取り上げているのは、メイヨーの研究グループによる論文「Morbidity and Mortality with Dental Extraction Before Cardiac Operation」(心臓病手術前の抜歯に関わる罹患率、死亡率)です。
心臓病患者への抜歯について、米メイヨークリニックが標準治療の前提に疑いがあると警鐘を鳴らす論文を発表(写真はイメージです)
米国の標準治療の前提と相違
記事によると、この論文は心臓手術を控えて抜歯した患者205人の予後を、2003年から2013年までの10年に渡って追跡。サンプル患者には重症例が多く含まれているものの、そのうち抜歯後30日以内で8%の患者が心臓麻痺、脳卒中、腎疾患などを発症しており、6%は手術前後に死亡、3%の患者は抜歯後、心臓手術の予定日時前に死亡している、としています。
これまで、米国では心臓手術の前に、病気のある歯を抜歯するのが標準治療で、日本でもこれを推奨する歯科医師が多かったようです。そのため記事によると、論文では心臓手術を控えている人々に対して、個別に麻酔、外科手術のリスクを評価すべきだとしているとのことです。
今後、在宅医療やチーム医療の推進で、医科歯科連携は拡大する方向にありますが、医科は歯科のことを、歯科は医科のことを、お互いに理解を深め合っていくことが必須であることを示唆する研究発表なのではないでしょうか。
【引用メディアURL】日本歯科新聞
http://www.dentalnews.co.jp/
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