2013年11月27日
中医協 歯科標榜なし病院で「周術期口腔機能管理」の実施はたった6.7%
先週の金曜日(22日)、
中医協総会が厚生労働省(以下厚労省)にて開催されました。当日は「寒くなるので防寒対策を」と天気予報で言っていたので、着ぶくれするほど着込んで総会会場へ。ところが会場は、いっぱいの人で埋め尽くされていたうえに、暖房も強め…。結局、額に汗かき、腕まくりして、傍聴しました。
さて、今回の主な議題は、「
歯科医療」と「
平成24年診療報酬改定結果検証に係る調査(平成25年度調査の精神医療部分)」です。
歯科医療に関しては、高齢化の進行にともない、健常者の患者が減少し、高齢者の患者が増加する今後の歯科医療の在り方(
図1・2)で、歯の形態の回復ニーズよりも口腔機能の回復のニーズが高い今後の歯科需要が示されました。口腔機能の回復に効果があることが示されているのが「
周術期口腔機能管理」です。
図1 歯科治療の需要の将来予測(イメージ)
出典:第259回中央社会保険医療協議会 総会(11月22日開催)
厚労省配布資料「歯科医療(その2)」P3より
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000030112.pdf
図2 歯科治療の需要の将来予測(イメージ)
出典:第259回中央社会保険医療協議会 総会(11月22日開催)
厚労省配布資料「歯科医療(その2)」P4より
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000030112.pdf
「
周術期口腔機能管理」は、2012年度歯科診療報酬改定で、「
がん患者等の周術期等における歯科医師の包括的な口腔機能の管理等」の評価に関連し管理料が新設されました。
今回の厚労省の調査では、歯科を併設している病院で、周術期における口腔機能管理への取り組みが進み、歯科を併設していない病院では、地域の歯科医療機関と連携して、管理を実施している医療機関は
6.7%程度しかない、という結果でした。
図3 周術期における口腔機能管理の実施状況等
出典:第259回中央社会保険医療協議会 総会(11月22日開催)
厚労省配布資料「歯科医療(その2)」P9より
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000030112.pdf
こうした結果を受けて、「
歯科がない病院でも歯科診療所と連携し口腔ケアが進むように診療報酬上で評価してほしい」といった意見も委員からあり、「
歯科がない病院で連携施設が行うケア」の評価があがるかもしれませんね。
周術期の口腔ケアに関しては、弊社が発行している『
マンスリーレポート』(
/service/report)2013年2月号(第73号)にて、「
東海自治体病院DPC勉強会における口腔ケアへの取り組み(文責:冨吉・加藤)」と題して特集を組んでいるほか、松阪市民病院 歯科口腔外科科長
中橋一裕先生に「
松阪市民病院における口腔ケアの取り組みについて」というテーマでご執筆していただいています。院内で患者への口腔ケアを浸透させるための中橋先生の奮闘が描かれており、現場に即した数多くの実践的な取り組みが満載です。
今後は、歯科を併設していない医療機関でも周術期口腔管理を定着させていくために、歯科診療所との連携による周術期口腔管理に対するインセンティブが検討される可能性は高いです。
そうした場合に備えて、ぜひ、『
マンスリーレポート』をご一読ください!
【参考資料】
中央社会保険医療協議会 総会(第259回)
歯科医療(その2)について
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000030112.pdf
平成24年度診療報酬改定結果検証に係る調査(平成25年度調査)について(精神医療)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000030115.pdf
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