GHCブログ

2007年02月13日

「ウサギとカメをうまく競争させる」

「『ビスタ』が出ましたよねぇ」 Windows Vista――。まさかこの言葉が、推定76歳のおじい様から発せられるとは…。名古屋と鳥羽を結ぶ「快速みえ」号にて、隣り合わせたおじい様との会話でのこと。カタカタとノートパソコンをたたいている私に、「それ、インターネットもつながっているんですか?」「ハードケースに入れて持ち歩かなくても平気なんですね」と、興味津々のご様子。聞いてみると、数年前からパソコン教室に通っているそうで、「まだ始めたばっかりですけれどねぇ。去年パソコンを買ったんです」と、顔をほころばせて話してくださりました。今更ですが、パソコンの普及ってすごい!  で、本題ですが、快速みえ号に乗って向かったのは、四日市社会保険病院。院長の松本好市先生にインタビューしてきました!



――今、院内でもっとも注力されている取り組みとは?

 日本のどの病院でも同様ですが、今、問題になっているのは、医師不足と看護師不足。どんなにえぇことを言っても、医師・看護師が確保できなければ安全・信頼の医療提供は不可な時代。当院に赴任してから9年の間に、僕のライフワーク的な大腸肛門疾患のセンター始め、糖尿病センターなどを立ち上げたり、疾病予防活動の1つとして、PETによるがん検診なども導入したりしまして、近隣公的病院にはない新しいことを始めています。ただ、いずれにしても、職員自体が健全でゆとりのある生活ができないと、他人のことまで構うことができない、安全・信頼の医療は成り立たない。『衣食住たりて…』これ私の信念です。ですから、今年こそは、原点に立ち返り、職員の地固めをもう一度やり直さなければいけないなと思っているんです。医師、看護師などスタッフの新規確保も大事だけれど、それ以上に、現在頑張っていてくれる人が辞めないようにすること。そのために職場環境をもう一度考え直そうと思っています。

――経営企画室や分科会も立ち上げたんですよね?

 若い人たちの新鮮な意見を取り入れるために、中堅層を集めて、経営戦略会議を設けようということで、芦田君(GHC)のアドバイスも受けながら、去年、準備委員会を設置しました。さらに、そのなかで出た意見を集約して、外来のサービス向上、人材確保、病診・病病連携による増患対策など、12の分科会を立ち上げました。しかし、医療施設などの顧客獲得(増患)は本当に難しいですよね…。外に出て、一般の通行人に「どうぞどうぞ~」と言うわけにもいかないし、帰られる患者さんに「どうも本日はありがとうございました! またのご来院を」というのもおかしな話でしょう(笑)。

――分科会等の効果はいかがでしょう?

 若い人たちのバイタリティーが発揮できたことはもちろんですが、一番は、セクション間のカベが取れたこと。これは、メンバー皆が喜んでいます。もちろん各分科会で、そのトップによって温度差はあり、進み具合も違います。でも、急がせすぎても萎れてしまうので、時間をかけて大きな炎になればいいなと…。ウサギとカメをうまく競争させる…。そのテクニックも大事です。全員ウサギでもダメだし、全員カメでもダメですしね。  あともう一つは、広報。地域の住民に対して、あるいは近隣の開業医の先生方に向けて、いかに上手にコマーシャルをするかということですね。病院と、予防から医療・福祉に至る一貫した医療提供体制を持っているので、それをいかに知ってもらい、利用してもらえるかということも重要だと思っています。

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広報部
広報部

事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。