2007年02月19日
岩手県立中央病院●佐々木康夫副院長
「CIを使って質と経営の両立を図ろう!」 消極、口数が少ない。おとなしく粘り強く頑固――。
というのが、岩手の県民性だそうです。どうでしょう。岩手県内、いくつかの病院さんを回り、さまざまな方にお会いしましたが、違うような…。ソフトな方が多いような…。
今回のインタビューは、岩手県立中央病院の中央放射線部部長の佐々木康夫副院長です。「おとなしくて頑固」というイメージとは程遠く、非常に気さくで快活な方でした!
――ホームページを拝見したところ、平成18年度の重点事業としていくつか掲げていらっしゃいましたが、振り返ってみていかがでしょう? まず、「医療システムの整備」については? 当院は自治体病院なので、「地域に根ざした医療」が基本です。自分たちの病院だけ良ければ…というわけにはいきません。岩手県は、僻地も多い地域ですので、当院から年間延べ3,000人以上のドクターを診療応援に出しています。一日に10人程度が、地域の医療機関に出ております。これからは地域住民全体が本当に必要とする医療センターとしての役割を確立することが目標です。
――すごいですね。次に、「収支のバランス」については? 病院とはいえ、経営の安定は大事です。なぜ大事かというと、人や設備といった、より良い医療をするための先行投資に必要だから。よく、自治体病院について「親方日の丸」と称されることがありますが、当院の場合、昨年度で13億円の黒字。今年度はさらに良好な黒字基調で展開することが見込まれています。その要因の一つは、DPCの対象病院になったことによる影響。あとは、GHCさんのお力添えもあって…(笑)。いや、実際は職員の意識改革が進んで、本当に一所懸命やってくれたことが最大の要因です。
――ありがとうございます(笑)。では3番目ですが、「満足度の高い医療サービス」という点はいかがでしょう? 「満足」といっても、求めているものや感じ方が多様化している時代ですので、正直、難しい。医療の個別化に対応するために、“人の充実”が必要ですね。現状の職員のみでは自助努力の限界を超えておりますので…。
――「人」というと、どういったスタッフですか? 患者さんのご希望、あるいは不安や不満に対応する“アドボカシー”など、「話を聞く」「患者さんの傍らに寄り添う」人材が、もっと必要。ただ、今の診療報酬体系では、そうしたスタッフを充実させることに対する資源やインセンティブがないため、難しい部分ではありますが…。
――最後に、先生はDPCの担当委員も務めていらっしゃるとのことですが、DPC関連で今、取り組んでいらっしゃることとは? DPCのデータを利用した医療の改善策を常に現場にフィードバックし続けることが一番重要。たとえば、「クリニカルインディケーター(CI:Clinical Indicator)の情報を常に公開することで、それを見た患者さんが私どもの病院を選んでくだされば、診療目標と病院経営の両立が図れる!」と考えています。医療の質はもちろんですが、経営にも活かそうと…。そのときにDPCデータの一部は非常に有用性が高いと考えています。
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広報部 |
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事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。
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