2007年02月22日
尾道総合病院●黒田義則院長
「ボロは着てても…、心は錦」 1957年の開設以来、広島県東部地区の基幹病院として地域医療に貢献してきた尾道総合病院(442床)。2003年以降には、内視鏡センター、心臓血管センター、リニアックセンター、肝臓病センターを立て続けにスタートさせるなど、高い専門性と特色を打ち出してきました。今回は、そんな同院を率いる黒田院長にインタビュー。「トップの仕事は、決断の積み重ね」と話す黒田院長は、ビジョンが明確で、表現力豊かなリーダーでした。一方で、「写真撮影を…」とお願いすると、「寿命が縮むからダメ」と、ちょっと意外な一面も…(とはいえ、撮影させていただきましたが…)。
――現在、病院長として特に注力されていることとは? 大きく2つあって、1つは、医療の質と安全。内視鏡センターや心臓血管センターなど、専門医を揃えて、日本でもトップクラスの医療を提供していると自負しています。常に高度な技術を獲得すべく、たとえば内視鏡については、毎年、海外で開催される学会に医師を参加させています。
また、安全面については、「ミスは起こる」ことが前提。1件の重大事故の背景には、29件の軽傷の事故と、300件の「ヒヤッ」とする出来事があるという、ハイリッヒの法則があるでしょう。1つの事故を見逃さず、次に起こさせないようにすることが大切。何か事故が起きれば、同じことが他病棟や他のJA病院で繰り返されないよう、速やかに周知するようにしています。
――もう1つは何でしょう? 職員が働きやすい環境をつくることです。約70人いる医師から、ボイラー室で働いているスタッフ、駐車場のガードマンまで、一人ひとりが働きやすいよう環境を整え、健康管理をすること。もちろん一人ひとりをすべて見られるわけではありませんから、看護部はある程度、師長に任せていたりしますが、病院の方針について周知徹底したり、各現場を訪ねて声かけを行ったりと、トップとして現場を把握するよう心がけています。
当院は、今年の11月3日で50周年を迎えます。実は、尾道で初めてエレベーターが設置された建物なんです。増改築を行ってきたとはいえ、通常は30年くらいをサイクルに立て直すところを50年使っていますから、老朽化してきていますが…。ただ、「ボロは着てても心は錦」って言うでしょう(笑)。
――医療の質・職員の質は、“錦”というわけですね。ただ、3年後には病院を新築されるんですよね? はい、今、準備を進めているところです。新病院では、「開業医ができることは開業医に任せよう」という考えで、外来(救急・紹介以外)は限りなくゼロに近づけ、平均在院日数は14日以内に、そして入院単価は倍に…と考えています。つまり、今まで以上に、外科を強め、急性期病院としての機能を高めようと思っています。
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広報部 |
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