GHCブログ

2007年03月13日

松下記念病院●山根哲郎院長

「今が勝負時や!」



 今回は松下記念病院の山根院長に突撃インタビュー。「突然ですが…」とお願いすると、「そういうのが一番緊張するんや…」なんておっしゃっていましたが、いざ取材に入ると…。緊張も何も、次から次へと飛び出す、思いや信念のこもった言葉! ソフトで気さくな物腰のなかに、しなやかな強さを垣間見させていただきました。

――そろそろ新しい年度を迎える時期ですので、新年度の抱負をお聞かせください。

 どこの病院にとっても今は厳しい時代だと思うけれど、信念を持って経営を行うことが第一。ちゃんとした医療をしているという自負を持って、へこたれないように…。これが、新年度の抱負。効率的な経営を行うという意味でマネジメントは重要だけれど、何も稼ごうというわけではなく、あくまでも「健全な経営を行う」ことを信念としてやっていこうと思っています。  これは職員にいつも言っていることですが…。ウチは松下電器健康保険組合立の病院。健康保険組合立の病院なので特殊なんですよ。何が違うかわかります?

――う~ん…。なんでしょう?

 もともとは社員の健康ための福利厚生施設なわけです。とはいっても、現状、利用者の割合は、松下電器社員が12%で、残りの88%は一般の方。ただ、「松下電器がお金儲けで病院までやっている…」なんて言われることがありますが、そうではないんですよね。松下電器の一事業としてというより、地域貢献と社会貢献の一手段としてやっているのが、病院。つまり、事業で得た利益を社会に還元する手段。だからこそ、他の病院にはできないことをやろうと、最新の機器を導入したり、建物のアメニティーも良くする。また、職員数も、他に比べて圧倒的に多い。だから看護師の7対1も比較的にすぐに取得できたんです。今回は看護師でしたが、今後は病床あたりの医者の数も評価されるようになると思うんですよ。ただ闇雲に人件費を減らす時代は終わるのではないかと…。とはいっても、経営の無駄を省く努力は必要なので、GHCに協力してもらって、塚越さんに「ダメダメ…」とピシピシやってもらっているわけです(笑)

――(笑)。なるほど。

 「なんぼ厳しい状況でもやっていける」「自分たちは正義の味方だから恐れることはない」と信じて、どんどんやっていくしかないので。あと、これは語弊があるかもしれないけれど、みんなが苦しい状況にあるということは、逆にビジネスチャンスでもある。本質を見失わずに正当な医療を行っていれば、医療費は配分されるはず。みんなが苦しいからこそ、今が勝負時なんや。

――力強い言葉! 職員もそれを理解し、一丸となっているわけですね。

 皆、わかってくれていますね。院長としては、人の数を増やすことで、一人が担う仕事量を減らして、各自がゆとりを持って仕事ができる環境をつくるよう、心がけています。ただ、働きやすい環境を整えるには、やる気のない人は排除しなければならないんですよ…。僕が嫌いなのは、お金のためだけに働いている人。たとえば以前に、社会的地位の高い患者は診るけれど、一般の患者は診ないという先生がいたんですが、そういう人ってなかなか変われないんですね。だから、どんなに腕が良くても、人間性が劣れば採用しない。腕と人間性だったら、人間性を優先します。だって、人間性の高い医者の下には腕の良い医者が集まるけれど、腕は良くても人間性の低い医者の下には良い人材は集まりませんから。  僕のポリシーは、自分の仕事はなるべく部下に渡していくということ。そして、その空いた時間で次に何をするかを考える。そうやって次々と新しいことにチャレンジするわけです。飽きっぽいんです(笑)。アレもコレもと手を出して、メドが立ったら誰かに任せる。これは趣味でも一緒。いろいろやって、長く続くものもあれば、すぐに辞めるものも…。でもね、周りを見ていると、一つのことを長く続けている人のほうが、断然、出世しているんですよねぇ(笑)。


広報部
広報部

事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。