2007年10月09日
がん医療の均てん化、新たな一歩です
全国がん(成人病)センター協議会の公式ホームページで、がんの5年生存率が施設別に公表されています。朝日、読売など一般紙でも取り上げられているので、すでにご覧になった方も多いと思います。
追跡率90%以上、病期判明率60%以上、症例数100例以上という基準を満たす医療機関のうち、公表に同意した施設の1999年初回入院治療症例の5年生存率。肺がん・乳がん・胃がん・大腸がんの4種類で、国立がんセンター中央病院、大阪府立成人病センターなど15の医療機関がデータを公開しています。
これまでにも5年生存率のデータはありましたが、施設ごとに公表されたのは初めてのこと。がん対策基準法の施行以来、「均てん化」をキーワードに、がん医療の地域格差是正が謳われていますが、今回の公表はその大きな一歩となりそうです。
もちろん、同じ“がん”とはいえ、数値を安易に比較することはできません。ホームページでも、「施設毎に患者背景、病期の進行度等が異なりますので~」と注意書きしているほか、がん別に注意点などのコメントを掲載し、それらを「読んだ」とクリックした人のみデータを見られる仕組みを取るなど、数字のみでの安易な評価に対してかなり注意深く警鐘を鳴らしています。
とはいっても、「乳がんでは生存率が92.9%から83.2%、肺がんでは55.5%から27.8%…」(読売新聞)など、格差についても、やはり言及されています(「優劣を決めるランキングではない」とのコメントも掲載したうえで)。
今回公表されたデータが患者にとっても、医療機関にとっても、1つの基準になることは確かです。患者にとっては病院を選ぶ際の貴重な目安になるはず。今後は、「自分たちの病院が提供する医療について自信を持って説明できるか」ということが本当に求められてくるんだなと改めて思いました。
●全国がん(成人病)センター協議会↓
http://www.zengankyo.ncc.go.jp/index.html
「その他 全がん協加盟施設の生存率協同調査」⇒「全がん協生存率」⇒画面下の「施設別生存率」…にあります。
広報部 |
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