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2007年11月27日

横須賀市の勉強会で工藤師匠講演

 昨年4月から「地域医療連携体制推進モデル事業」の委託を受けている横須賀市。地域連携に積極的に取り組んでいる同市で、横須賀市医師会、武田薬品工業の共済による「地域連携クリニカルパス勉強会」が開かれました。夕方19時スタートと、仕事終わりの地域の医療関係者たちが集まったこの勉強会では、2つの講演がありました。1つは、GHC師匠・工藤氏による「08年診療報酬改定の論点」、もう1つは国立病院機構横浜医療センター地域医療連携室長宇治原先生の「糖尿病地域連携クリティカルパス その意義と作成・活用ポイント」。

工藤師匠  工藤氏は、次期改定の全貌についてざっと話した後、地域連携部分の詳細を説明。前回改定で「大腿骨頚部骨折」を対象に導入された連携パスの評価は、次期改定で「脳卒中」に、2010年改定で全体に導入されるだろうと推測。ただし、届出は、“各都道府県が作成する医療計画に記載のある病院・診療所”に限定する見込み。さらに、工藤氏は「やらざるを得ないことなので、点数は現在の1,500点から引き下げられるのでは?」と指摘しました。

宇治原先生  一方、宇治原先生の講演は、横浜医療センターで実際に行っている糖尿病地域連携の取り組みについて。同センターでは、地域の先生から紹介してもらいやすくするよう「敷居を低くする」ために、①外来を通さずに教育入院を可能に、②週末の3泊4日入院を実施、③紹介の専用書式を設けない――などを採用しているとのこと。専用書式がないほうが気軽に紹介しやすいという、ある意味、逆転の発想です。さらに今後は、「全職種による療養指導方式だけでなく、医師と栄養士による簡略指導パスの作成または運用の簡略化」「病態増悪時に一時、連携パス離脱による治療を行うこと」などの対策を考えているそうです。また、連携がうまくいくポイントとしては、「信頼関係が重要」と強調。「(信頼関係を築くには)緊急時の対応が大事」と指摘しました。  講演終了後の質疑応答では、「入院前の地域の診療所での治療時期からのパスが必要では?」など、さまざまな意見交換が繰り広げられました。

広報部
広報部

事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。