GHCブログ

2007年12月10日

カリフォルニア研修報告 vol.3

 スタンフォード大学を見学した後、よしかわ邸に戻った一行は、具だくさんのサンドイッチを頬張りながら、昨夜のミーティングの続きを開始。みんなのおなかが満たされた頃、到着したのが、本日のゲストの一人、マイケル・カルフーン氏です!  彼は、米国厚生省の官房長やスタンフォード大学メディカルセンターの副院長も務めたスゴイ人で、今年の1月には日本のGHCオフィスに来てくれて、レクチャーをしてくれました。今回、彼が話してくれたのは、「次期米大統領選の結果でアメリカの医療がどう変わるか?」。  2008年11月に行われる予定の米大統領選挙。解決すべきさまざまな問題が挙げられるなかで、現在、最も関心の高い問題として認識されているのが「医療問題」だそうです。高齢者を対象としたメディケアと低所得者層を対処としたメディケイド以外、公的保険のないアメリカでは、医療も個人の責任下にあります。そして現在、保険の未加入者は4700万人にも達しているとのこと。さらに、保険に入っていてもすべてをカバーしているわけではないため、受けたい医療を受けられない、治療費を払えないという問題が発生しているのです。  民主党と共和党の違いは簡単で、国民全員が保険に入るべきという「国民皆保険」を主張するのが民主党。一方で、共和党は個人が選択できるシステムが良いと主張しています。では、同じ民主党のなかでも注目の2人、ヒラリー・クリントン氏とバラック・オバマ氏の違いは? クリントン氏は国民全員に保険に入ることを義務づけるべきと主張。オバマ氏も国民皆保険を推進するものの、全員に義務づけるのではなく、18歳未満の子どもと雇用者は全員保険に入るべきとの考えを打ち出しています。  カルフーン氏曰く、「ヘルスケアシステムを変える非常に良いチャンスにあります。どちらが勝つかで医療システムは大きく変わるため、非常に注目されているのです」。    カルフーン氏のレクチャーが終わった頃、2人目のゲストが登場! 彼の名は、Jay Bhattacharya。ジェイは、スタンフォード大学時代のよしかわの愛弟子で、学部を飛び級後、医学部と経済学博士課程を同時に取得し、若くして同大医学部の準教授を務める逸材です。彼がレクチャーしてくれたテーマは、技術革新がメディケア医療費に与える影響と将来予測について若き天才ジェイ

 連邦政府の予測は、メディケアの受益者増加数に関しては当たったものの、メディケア一人当たりの費用増加額については外れました。連邦政府が高く見積もった予測以上に、メディケア一人当たりの費用は大きく増加したのです。その背景には高齢化や疾病構造の変化といった要因も当然ありますが、最も影響が大きいのが“技術革新”とのこと。そこでジェイは、メディケア受益者の寿命を一年延ばすためにかかる費用の予測を、主要な医療技術ごとに提示してくれました。技術革新は当然重要です。非常に価値のあることです。ただ、コストと比較した場合のバランスはどうか…? ジェイは、新しい医療技術が高額か廉価かという点で単純に判断するのではなく、技術革新がもたらす費用対効果をみることが重要であるということを力説していました。  若き天才ジェイはちっともおごることなく朗らかで優しく、服装はGAP、車は1989年から愛用している年季の入ったホンダというライフスタイルは、GHCメンバーにとって身近に感じる存在でとても魅力的でした。


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広報部
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事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。