2008年05月12日
お客様の立場で医療材料を購買・管理、顧客病院とのWin-Winをめざす
株式会社日本ホスピタルサービス●後藤俊男 代表取締役医療界における医療材料の購買と物流支援を他に先駆けて始めた
株式会社日本ホスピタルサービス(本社:東京都千代田区)は、三菱商事の社内プロジェクトからスタートし、1995年に独立した会社です。院外に設置されたサプライセンターから医療材料を院内の各部署まで直接配送し、病院側は使用分のみ支払うという、独自の管理調達システム「JITS(Just In Time & Stockless)」を確立し、病院の在庫削減と物品管理業務の軽減に一翼を担ってきました。現在、サプライセンターは北海道から九州まで全国32カ所にあり、契約病院は147病院(08年3月現在)に上ります。
――日本ホスピタルサービスは、三菱商事の社内プロジェクトから発展したとお聞きしました。当時のことを簡単に教えてください。 私自身はアメリカに9年間駐在していて1994年に帰国しました。戻ってきたときに、医療関連の課の課長に就いたのですが、課のなかにすでにプロジェクトの原形がありました。当時、課のいろいろな人がかかわっていて、私もプロジェクトにかかわるようになったところ面白く、だんだん深みにはまりました。最初は課内の1つのプロジェクトとして存在していたのが、社内ベンチャーのような形になって、95年8月に会社として独立しました。
――「おもしろい」と感じたのはどのような点だったのでしょうか? 当時の三菱商事が取り扱っていたのは、医療器械や建物、海外からの輸入器械など、ハード系がほとんどでした。一度売ったら終わり(完結)という仕事です。一方で、医療材料の購買・管理は、反復した販売とサービスが継続します。その点が、今までやってきた機械を売る仕事とディスポーザブルな商品を扱う仕事とで大きく違っていました。前者は言ってみれば、“狩猟型”で、後者は“農耕型”。この組合せが三菱商事の医療ビジネスを強くすると考えたことが、理由の1つです。
2つ目の理由は、病院が限られた人的資源で、システムも不十分な状態で医療材料を管理し、購買している状況を見て、効率化・合理化の余地が大きく、病院に喜んでもらえると思ったことです。商品や価格の比較情報もないなかで購買し、数千種類の医療材料の管理に苦戦しておられる…。病院はとにかく大変そうでした。アウトソーシングすれば、価格も適正化するし、在庫の効率化も可能になるのに…と、ごく当たり前に感じました。
――今、医療材料のSPDを手がける会社は多数あります。そのなかで、「日本ホスピタルサービスはここが違う!」という点は何でしょうか? お客様の立場になるということです。お客様にとってメリット、価値があることは何かを追求し提供することが、われわれの価値になると考えています。
顧客病院の立場でより便利により安く医療材料を提供するために、購買価格も顧客と共有しています。メーカーの代理ではないからこそ、病院側に立つことが可能になります。管理・購入を病院と一体となって行いますが、コストダウンが実現できれば、成功報酬を受け取るというスタイルもとっています。ですから、病院とはWin-Winの関係です。病院の経営が良くなれば、わたしどももその恩恵にあずかることができるというわけです(笑)。
一方サプライヤーの皆さんにはより良い取引条件の見返りに数量やシェアを提供するようにしており、こちらともWin-Winをめざしていますが・・・。
――立場上、一般の卸会社にはなかなか真似できませんね…。ところで、「病院経営を考える会」と題して、クライアント向けの勉強会も定期的に開催されているんですよね。例年、毎回テーマを変えて、顧客病院の経営層150人くらいを対象にした勉強会を行い、今年で9回目を迎えます。今までに取り上げたテーマは、リスクマネジメント、DPC、勤務医の労働環境、医療制度・医療計画…など。また、医療界の話だけではなく、企業経営やリーダーシップをテーマに企業経営者や各界の著名な方を招いた講演会をやっています。これまでに、厚生労働省の方、大学の研究者方々、病院の経営者の方々、IBMの北城恪太郎さんや堺屋太一さん、星野仙一さん他多くの著名な方々に有意義なお話をしていただきました。今年は6月に大阪で開催し、①ADR、②経営計画と実行、③人事考課とモチベーショという3つのワークショップと、医療機関の情報化のあり方、病院建替えと経営、近代経営者に見るリーダーシップという3題の講演を行う予定です。全国から多くの経営層の方々にご参加いただきますので、いつも有意義な内容にしようと苦心しています。
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広報部 |
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事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。
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