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2013年06月03日

入院医療等の調査・評価分科会 亜急性期入院医療管理料の在り方について疑問視

5月30日、厚生労働省(以下、厚労省)で診療報酬調査専門組織 入院医療等の調査・評価分科会が開催されました。 IMG_2981 診療報酬調査専門組織 入院医療等の調査・評価分科会風景 同分科会では、2012年度診療報酬改定で、「亜急性期入院医療管理料」が見直されたことを受けて、同管理料を算定している患者像を調査した結果をもとに、「亜急性期入院医療管理料」の今度の在り方について幅広いテーマで議論されました。 調査結果からは、亜急性期入院医療管理料を算定している患者は、回復期リハビリテーション病棟入院料1(以下、回復期リハ1)の患者と亜急性期のない一般病棟13対1入院基本料の患者と比較して入院中の重症度・看護必要度の最高得点の平均点が低く、病名も重複していること、回復期リハ1の患者と比較してレセプト請求金額が少なく、13対1入院基本料の患者と比較して高いことなどが明らかになりました。重複している具体的な病名は、「骨折」「脳梗塞」「関節症」などで、亜急性期入院医療管理料を算定している患者は骨折患者が最多。 こうした結果を踏まえて、複数の委員から「“亜急性期”というものの、実態としては、看護必要度・重症度が低い患者が入院しており、回復期リハ1との差別化も図られていない」といった指摘があがり、現在の算定基準のまま亜急性期入院医療管理料を残しておく必要性自体を疑問視する声も。最終的にはさらに詳しい調査をもとに再度議論されることとなりました。 なお、同分科会後、実施された記者ブリーフィングのなかで、厚労省担当官は、DPC対象病院ではある一定の期間を過ぎると、亜急性期入院医療管理料がDPC点数より高くなるケースの場合、その時期に転床率が高くなるケースを示した下記の配布資料(図1)をもとに、「最近、テクニカル的に亜急性期入院医療管理料を利用する医療機関が増えてきた」とコメント。そうした実態について、厚労省担当官は「病院経営者なら皆そうする」といった感想を述べていました。 図1 DPC病院における亜急性期入院医療管理料病床2 出典:2011年度DPCデータ 厚労省資料「入-1」P22より http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000032zg9-att/2r98520000032zk8.pdf このような病床・病棟の活用については、弊社が毎月発行しているマンスリーレポート2011 年4月号(第51号)でも、亜急性期病床のマネジメント方法の1つとして以下の分析資料(図2)とともに詳しく解説しています。 図2はA病院における「股関節大腿近位骨折・整復術」(DPC コード:160800xx02xxxx)の在院日数と1日あたりの入院料をDPC 対象病床期間と亜急性期病床期間で比較したです。図2から、入院期間Ⅲである28 日以降は亜急性期病床を利用したほうが1日あたりの点数が高いことがわかります。 図2 MR2011年4月号特集から マンスリーレポート2011 年4月号(第51号)P7より 詳しい解説は、マンスリーレポートをご参照ください! マンスリーレポート詳細について↓ /service/report 参考資料:厚労省ホームページ 平成25年度第2回入院医療等の調査・評価分科会議事次第 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000032zg9.html

広報部
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事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。