2013年11月20日
中医協総会 ~急性期病院における、特に必要な重症患者への治療について~
11月13日、中医協総会が開催され、入院医療(その3)が議題となりました。入院医療については3月と5月に議論が行われており、3回目の今回は、急性期病院における重症患者への治療として、
「ICU等の評価」と
「総合入院体制加算」についての議論が行われました。
今回議論で気になったのは、
・回復期=亜急性期入院医療管理料等で押し切られるか?!
・総合入院体制加算=高度急性期病床の定義となるか?!
ということです。
病床報告制度では、高度急性期、急性期、回復期、長期療養について病棟ごとに都道府県に届出をすることに今の議論ではなっていますが、この中で
注目を集めているのは、機能分化でポイントとなる亜急性期がどこに区分されるかです。
当初亜急性期と表記があったにも関わらず記載がなくなり、急性期に吸収されたかのように見えますが、「入院その3」で最初に提示された図を見ると
、回復期(亜急性期入院医療管理料等)とされていて、厚労省としては回復期=亜急性期と考えていることがわかります。都道府県単位で亜急性期+回復期リハビリ病床を病棟単位で把握できれば、病棟単位で地域医療ニーズにあわせた病床数にコントロールできますので今後の厚労省の表現にも注目ですね。
出典:第256回中央社会保険医療協議会 総会(11月13日開催)
厚労省配布資料P3より
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000029457.pdf
今回の資料で
、総合入院体制加算=「総合的かつ専門的な急性期医療を担う医療機関の評価」と説明されています。どこかで似たような表記を見たことがありますね。
そう、高度急性期病床に求められる役割です。
総合入院体制加算について、これまで「望ましい要件」となっていた人工心肺手術、悪性腫瘍手術、腹腔鏡下手術、放射線治療、化学療法、分娩の実施件数に対する評価が加わるとすれば、間接的に高度急性期病床の要件にもなり得ます。また、急性期医療を担う医療機能をより充実させる観点から
、亜急性期入院医療管理料と療養病棟入院基本料等の届出は不可と案が提示されたことも、高度急性期病床を持つ病院は人員を高度急性期病床に集中させるという意味での誘導策とも考えられます。総合入院体制加算が高度急性期をどう定義するか?の切り口になるかどうかまだわかりませんが、高度急性期病床を持ちたいと思う病院にとっては目が離せません。
出典:第256回中央社会保険医療協議会 総会(11月13日開催)
厚労省配布資料P51より
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000029457.pdf
急性期医療を担う医療機関の役割を示すイメージ図が提示されましたが、
高度急性期・急性期を担う病院は、ICU等の体制が充実している、人工心肺や悪性腫瘍手術の実施している、といった今回の議論の内容と定義しようとしていることがわかります。同時に、これらの病院と
亜急性期・回復期はしっかりわけ、急性期後の患者を診療する図が描かれ、亜急性期・回復期の役割の役割も徐々に明確にしていくものと思われます。
ICU(特定集中治療室)管理料、NICU(新生児特定集中治療室)管理料、PICU(小児特定集中治療室)管理料に関しても、手厚い人員配置で評価が上がる、または要件緩和などがありそうです。算定している施設、算定を検討している施設はぜひ確認してみてください。
出典:第256回中央社会保険医療協議会 総会(11月13日開催)
厚労省配布資料P10 より
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000029457.pdf
【参考資料】
中央社会保険医療協議会 総会 (第256回)議事次第
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000029151.html
広報部 |
|
事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。
|