2009年04月07日
「なぜ?」という感性を磨くこと―――日本医療マネジメント学会・宮﨑理事長
写真右から2番目が宮崎先生。
一番左:全国社会保険協会連合会・伊藤理事長、
一番右:社会保険蒲田総合病院・吉川院長、
左から2番目:GHC社長・渡辺日本医療マネジメント学会理事長
独立行政法人国立病院機構熊本医療センター名誉院長
宮﨑久義
今回のインタビューは、日本医療マネジメント学会理事長で、
国立病院機構熊本医療センターの名誉院長でいらっしゃる宮﨑先生です。GHCとのかかわりで言えば、実はGHC会長のアキよしかわが日本の医療界でベンチマークという概念を広めようとしたときに、最初に理解し、協力してくださったお一人です。
淡々と簡潔な語り口調ながらも、リーダーとしての力強さと潔さがうかがえました。
―――日本医療マネジメント学会は、今年で設立12年目ですよね。先生は設立の中心メンバーのお一人でいらっしゃいます。もともとクリティカルパス研究会の内部で立ち上がったのですが、クリティカルパスについて勉強を進めていくと、医療安全や医療連携、カルテ、原価計算など多くのこと、クリティカルパスにはさまざまなことが関連していることがわかりました。そのため、クリティカルパスだけではなく、関連する領域を含めた学会にしようとの発想からスタートしました。
最初はグローバルに活動しようとの考えから「医療マネジメント学会」と冠に「日本」という文字はついていなかったのですが、法人化を機会に日本医療マネジメント学会に改めました。現在では5400人ほどの会員がいます。
―――学会を立ち上げてから今までの10年強で、医療界はかなり変わってきたのではないでしょうか。昨年3月末までの16年間、国立病院機構熊本医療センター(元・国立熊本病院)の院長を続けてきましたが、医療界の変遷を肌で感じています。以前は20日前後だった平均在院日数は、今では12日程度になりました。あるべき方向に向かってきているともいえます。そしてこれからも確実に変わっていくでしょうね。
―――先生は、国立病院機構熊本医療センターの院長時代に院内の体制を大きく変えられたそうですが…。たとえば手術室の改革をはじめ取り組んだことは多岐にわたりました。職員もよくついてきてくれたと感謝しています。私が気をつけていたことは、「約束を守る」ということです。人間としての基本ですね。「やる」といったら、必ずやる。時間をかけてでもやるということ。どんな場であれ、言ったことについては実行するので、「宮﨑院長の前では迂闊なことは言えない」と医師仲間から言われたこともあります(笑)。
あと、病院運営で大事なことは、感性を磨くこと。「なぜ?」という疑問を目や耳、鼻、皮膚などの五感でも良いのですがとにかく感じること。つまりは。気づくという力でしょうか。
―――先生のご経歴を拝見すると、医学部の前に薬学部を卒業されているんですよね。最初は有機化学の研究をしようと思っていました。でも、自分にはこの分野での才能はないな、と悟ったんです(笑)。それで医学部に編入しました。
―――薬学部での経験のうち、医師になってから活かされていることはありますか?人脈と知識の幅、そしてものの見方ですね。薬学部ではシステムを考えることを学びました。たとえば、製薬の過程において5段階の工程がある場合に、工程数を減らすことができれば経済効率も高まるし、人為的なミスが起こる確率が減り、安全性は高まります。こういった考え方は医療においても役立っています。
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広報部 |
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事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。
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