2013年06月26日
入院調査・評価分科会 有床診療所 栄養管理実施加算 評価方法を修正
6月20日、厚生労働省(以下、厚労省)で
入院医療等の調査・評価分科会が開催されました。
さて、今回は、2012年度診療報酬改定で、入院基本料等加算のうち、算定割合の高い栄養管理実施加算と褥瘡患者管理加算が入院基本料及び特定入院料の要件として包括化されたことを受けて、両加算の実態をもとに包括化が適切であったかを2012年度入院医療等の調査と検証部会での調査データをもとに議論。
栄養管理実施加算は、算定要件として病院は常勤、有床診療所では非常勤の管理栄養士を確保しなければなりませんが、緩和措置として、2014年3月31日までは要件を満たさなくても算定可能です。
この算定要件を受けて、争点となったのは、有床診療所の管理栄養士確保について。
石川広己委員(社会医療法人社団千葉県勤労者医療協会 理事長)は、「
病院は妥当だったが、有床診療所に関しては管理栄養士を確保できていない施設も多いため、要件を緩和したほうがよいのでないか」といった主旨の内容を発言(
図表1、2参照)。
図表1 栄養管理実施加算届出状況1
出典:入院調査・評価分科会(6月20日開催) 厚労省配布資料「入-1」P16より
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000034nz7-att/2r98520000034o30.pdf
図表2 栄養管理実施加算届出状況2
出典:入院調査・評価分科会(6月20日開催) 厚労省配布資料「入-1」P17より
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000034nz7-att/2r98520000034o30.pdf
また、「
管理栄養士を確保するためにハローワークや人材派遣会社に相談していない医療機関が多いという結果がでている。努力していないのに緩和措置を受けているのはどうなのだろうか」といった意見がありました(
図表3)。
図表3 管理栄養士の確保状況
出典:入院調査・評価分科会(6月20日開催) 厚労省配布資料「入-1」P20より
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000034nz7-att/2r98520000034o30.pdf
最後に、両加算に関する議論を通して、「
褥瘡患者管理加算をつけたら褥瘡の人は減ったのか、栄養管理実施加算をつけたら低栄養の人は減ったのか、それらを考えていかなければならない」と
武久洋三委員(医療法人平成博愛会 理事長)はコメント。
こうした議論の結果、栄養管理実施加算は、有床診療所に関しては評価方法を修正する方向になりました。修正内容の詳細は今後詰める予定。なお、褥瘡患者管理加算については今回の議論では修正などに関する提案はありませんでした。
病院における栄養管理状況については、弊社が発行している
マンスリーレポート2011年11月号・12月号で病院へのアンケートをもとにした分析を掲載しています。
下記は、100床あたりの管理栄養士・栄養士 常勤換算人数。
管理栄養士の100床あたりの平均人数は1.4人であり、多くの施設は0.5 ~2.0人を配置しています。同分析結果からも、病院は管理栄養士を確保できていることがわかります。
図表4 100床あたり 管理栄養士・栄養士 常勤換算数(マンスリーレポート2011年11月号 特集 栄養部門 アンケートからの分析図1
管理栄養士の役割の重要性などについても言及していますので、ぜひご参考になさってください。詳しい解説は、『マンスリーレポート』をご参照ください!
マンスリーレポート詳細について↓
/service/report
【参考資料】平成25年度第4回入院医療等の調査・評価分科会議事次第
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000034nz7.html
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