GHCブログ

2009年06月29日

「大阪発!新DPC時代の戦略的病院経営」、アツいセミナーになりました

27日(土)、大阪にてセミナーを開催いたしました。 「大阪発!新DPC時代の戦略的病院経営」と題して、GHC顧問でもある多摩大学医療リスクマネジメントセンター教授の真野俊樹先生、大阪府済生会吹田病院院長の岡上武先生、医療法人伯鳳会赤穂中央病院理事長の古城資久先生をゲストスピーカーとしてお招きいたしました。


アキさん トップバッターのアキよしかわからは、開会の挨拶とともに、コスト分析の重要性について説明させていただきました。DPC別コスト分析システム「コストマトリックス」を活用した分析事例を紹介しながら、「出来高とDPCでの収入の増減にとらわれるのではなく、コストとの比較が重要」というメッセージを伝えました。


真野先生 続いて多摩大学教授で、DPCマネジメント研究会の代表幹事である真野先生からは、DPC対象病院、DPC準備病院、入院基本料1の算定病院を対象に行ったアンケート調査の結果について説明いただきました(1,845病院に送付、263病院から回答)。この結果からわかったポイントは、「ひとの行動が変わる」「ひとが必要になる」「病院の形を変えなければならない」「管理の形が変わる」という4つ。ひとの行動に関しては、医師と診療情報管理士、事務をはじめとしたコミュニケーションが必要になること、コストを意識した行動にならなければいけないことなど。病院の形とは、在院日数が短縮する傾向にあり、一方で空床が増えがちということで、そのため病床のコントロールなどの管理がより重要性を増すという話でした。また、「副院長が増えている」病院が270施設にも上ったそうです。


岡上先生 済生会吹田病院院長の岡上先生は、同院の取り組みについて紹介してくださいました。その時々に必要なさまざまな改革をスピーディに打ってきている同院ですが、今回紹介してくださったのは、①外来改革プロジェクト、②人事制度改革プロジェクト、③経営企画室の設置、③診療の質、改善活動、④後発品の採用活動、⑤“くわい”プロジェクト(看護部活性化のための取り組み)の主に5つ。いずれも興味深い話でしたが、ここでは「①外来改革プロジェクト」と「③診療の質、改善活動」について。 まず、外来改革は、2006年3月より、「完全予約制」「外来化学療法センター」「救急の受け入れ体制強化」「DPC導入による外来での検査」「紹介率・逆紹介率の向上」の5つを進めるプロジェクトチームを設置し、それぞれインフラの整備やセンター制の導入、8人のメディカルセクレタリーの導入等による外来機能の見直し、救急センター日直の体制強化などによる外来・救急の受け入れ体制の強化を行ってきたそうです。そうして結果、紹介率・逆紹介率ともに上がり、現在、地域医療支援病院の算定を申請中とのこと。 そして、「診療の質、改善活動」に関しては、EVEやコストマトリックスを活用した分析結果、またGHCで行った診療科ヒアリングの成果なども交えて、診療の標準化や手術件数の増加が進んでいることなどを紹介してくださいました。


古城先生 赤穂中央病院理事長で日本DPC協議会理事長でもある古城先生からは、マクロな視点からDPCについて説明がありました。特に後半は、現在検討が進められている新・機能評価係数について、問題点を示唆しつつ、解説してくださいました。 たとえば、候補の1つとして挙がっている人員配置の評価に関しては、「医師や看護師が不足しているといわれるなかで、もっと取り合いが起こるのではないか?」と指摘。また、次期改定での導入との方向性が色濃い、「効率性指標」についても、「平均在院日数を押し上げる患者を亜急性期病床などに転床させることで平均在院日数を恣意的に調整可能」「(入院期間1日以下の患者はDPC対象外なので)日帰りオペなどを積極的に手がけている病院は不利になるのでは?」などと問題点を挙げました。 ちなみに余談ですが、筋肉隆々の古城先生は、今年4月に行われた世界マスターズベンチプレス選手権のM-Ⅱ男子125㎏級で、アジア新記録を出して優勝されたそうです!


渡辺さん さて、最後はGHC代表の渡辺から、①DPC導入時にすぐにやるべき対応策、②調整係数に代わる新たな「機能評価係数」と将来の対応策――の2本立ててお話させていただきました。

今回はちょっと久しぶりの大阪セミナーでしたが、ありがたいことに定員約200名の会場がまさに満席(定員オーバーのためにお断りをさせていただいた方々、もうしわけありませんでした)。スピーカーの先生方、運営を手伝ってくださった方々、そして当日いらっしゃってくださった方々、本当にありがとうございました。


セミナー後には懇親会も…↓ セミナー後の懇親会

広報部
広報部

事例やコラム、お役立ち資料などのウェブコンテンツのほか、チラシやパンフレットなどを作成。一般紙や専門誌への寄稿、プレスリリース配信、メディア対応、各種イベント運営などを担当する。