2013年07月03日
DPC評価分科会が開催 「隠れDRG」、拡大方向へ
先週(28日)、
診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会(以下DPC評価分科会)が都内にて開催されました。
今回のDPC評価分科会では、
策定ルール等の見直しについて
退院患者調査にかかる技術的事項等について
医療機関群Ⅱ群の要件の見直しについて
が議題となりました。
「
策定ルール等の見直しについて」では、平成 24 年度改定において見直した算定ルール、「高額薬剤に対応するために導入された点数設定方式」(各病院が赤字にならないようにするために在院日数を引き延ばすといったことを防止する策として導入した、入院基本料を除く薬剤費等包括範囲の点数を入院期間Ⅰの点数に組込む設定)について議論がおこなわれました。
事務局より、
試行的に導入した結果、22 の診断群分類のうち、20 の診断群分類において平均在院日数の短縮が認められているとの報告がありました。そのうえで、「平均在院日数の短縮の効果が認められる診断群分類に対して引き続き点数設定方法を継続するか」、「試行的に導入した診断群分類以外の高額な薬剤を使用する診断群分類についても、当該点数設定方式を適用するか」、「高額な薬剤を使用する診断群分類だけでなく、高額な材料を用いる検査(心臓カテーテル検査)等についても当該点数設定方式を適用するか」という議論の提示がありました。
出典:平成25年度第4回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会(6月28日開催)
厚労省配布資料「診調組 D-1」P1より
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000358tn-att/2r985200000358xm.pdf
出席委員からは、「
全体の在院日数が減ったことにより、患者さんの不要な入院が少なったことはいいこと。今後、(試行的に実施した22診断群分類以外の)他の領域にも広めていくべき」、「
これ以外の薬剤にも拡大をしていくべきだ」という「
引き続きこのルールを継続し、対象領域を拡大していくべきだ」との意見が出され、反対意見はありませんでした。
一方で、「
在院日数が短くなり、再入院が増えていないか、患者さんにとって不都合が起きていないかという点も検証すべき」、「
現在の心臓カテーテル検査の在院日数はすでに2日。これを更に短くすると、『日帰りにせよ』ということになる」といった意見も出されました。
また、今回のDPC評価分科会では、その他算定ルール等の見直しに係る検討課題として、「
亜急性期入院医療管理料」、「
退院後 3 日以内に再入院となった場合の算定ルール」についての議論もなされました。
「亜急性期入院医療管理料」に関しては、「
亜急性期病床への転床時期が入院後、11日目、20日目に特に増えているのは、診療報酬上有利な方を各病院が選択している可能性がある。これは制度上の問題点であり、制度を適正にすべき」といった意見から、「治療をしているうえで、急性期と亜急性期の在院日数(の調整)を制度上で意識したことはなく、特に変える必要はない」といった意見も出されました。最終的には、「中医協総会での議論の動きも見つつ、秋頃に再度提案したい」との事務局発言で締めくくられました。
「退院後3日以内に再入院となった場合の算定ルール」(DPC算定病床を退院して3日以内に再入院した場合について、一連の入院とみなすルール)に関しては、
現在の「入院の契機となった傷病名」から「医療資源をもっとも投入した傷病名」に切り替えることの意見が出され、分科会として承認。また、現在、3日以内となっている期限については、現行のまま維持していくことが確認されました。
次回のDPC評価分科会の開催は未定。詳細は、厚生労働省のホームページに掲載される予定です。
今回のDPC評価分科会で取り上げられた「高額薬剤に対応するために導入された点数設定方式」(入院基本料を除く薬剤費等包括範囲の点数を入院期間Ⅰの点数に組込む設定)は、GHCのブログでも度々、紹介している「
隠れDRG」の事例です。今回のDPC評価分科会の議論は、この「
隠れDRG」の流れを今後も維持し、なおかつ対象分野を拡大していくことを確認した内容でした。
※「隠れDRG」の解説につきましては、以下のインタビュー記事をご参照ください
CBニュース「大胆予想25年 民間の急性期医療は衰退へ- GHCアキ「いびつな医療体制に」(2012年8月9日配信)
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37850.html
平成25年度第4回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会議事次第
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000358tn.html
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